• 141 / 336 ページ

琉球を焼く基地反対派、目的は朝貢

 何でも昔は海で隔たれていたタイワンと『ナハ』……だが、日国が占領される前にタイワンが那国に都合が良い最後の総統に成ってからは日国の状況が悪化しただけではない。奴等は何とタイワンと『ナハ』纏めて魔導弾を放つという暴挙に出た。結局、何方の島にも直撃しなかったが使用されたのが当時最新鋭故に何と海を干上がらせた……「魔導弾については俺も詳しくはわからないけど……兎に角、フィクションで読む通りの威力を放つんだな!」ドーズから魔導弾の恐ろしさ、『トウキ街道』が出来た大きな理由がわかった--どの道、タイワンも『ナハ』同様に那国の領土と成った瞬間でも在る。

「態と、外したという説も在ります事」

「どっちにしろ、日国はこうやって那国の糞野郎共に蹂躙されたんだよ!」

「ウウウ、私が生まれる前とはいえ……余りにも酷いです」

「独裁国家だから出来るんだ。其れをやったのが現国家主席より二代前の『トウ・タクミン』って奴だよ!」

「えっと確か前国家主席が『コ・ニシキトウ』だったよな? 二代前は兎も角としても一代前の奴は如何成ったんだ?」

「知らんのか? 現国家主席のキンペエ政権で全員纏めて粛清されたんだぞ」

「……社会主義国家って平等謳いながらやる事は不寛容の極じゃんか」

「だから共産主義は駄目なのです。勿論、社会主義も同じです。一見寛容に見えて実は手を取り合う事を許さない考えに染まっております」

「ああ、だからこそ父さんのような人間の心を平気で捨てられる奴を次々と生み出すんだ。共産主義こそサイコパスを招く狂気の思想だ!」

「此れで少しは社会科を学べたかしら、オールド?」

「いや、人間の記憶を過大評価し過ぎだぞ。其れよりもタイワンの話の続きをしようぜ」

「ああ、建国神話の話だね。わかった……えっと大陸から来た奴等の強権政治は話したよね。其の続きから始めよう」

 チャン一派の独裁政治はチャンの息子が引き継いでから徐々に緩和されてゆく。そしてタイワン最大の総統リー・トウキ……つまりタイワンの東側で今俺達が歩くトウキ街道の名称にも成る其のおっさんの統治こそタイワン黄金世紀と成る。然も彼の政治は一貫して親日的で教育も日国に優しい政治ばかりした御蔭で今日のタイワンが在ると言っても過言じゃない。例え其の後にとんでもない那国よりの総統が何人誕生しようともトウキが統治した素晴らしい功績の前では払拭する程。まあ、焼かれてしまったのは事実だけどな。

 ってな感じで十分経過……「此処が『ナハ』なんだな」そう、米軍基地を建てられる程に米国との戦争で奪われた土地の一つに俺達五人は足を踏み入れる。

「其処で俺達は『主権を取り戻す日を救う会』の会長を務めるデブと会うんだ」

「其の前に、何やら騒がしいですわね」

「耳を傾けてみましょうか」

 耳を傾けると其れは次の通りだな……「又漁船を沈められたそうだ」「『海賊』だ。那国が漁船民に見せ掛けた武装集団が折角の生活の糧を次々と奪って来るぞ」「ホウコンとタイワンの件でイメージダウンしたから那国共産党は自らの海域を無断で広げて日国を苦しめようと努めるみたいだ」「ああ、やりそうだ。後は連携を取るように『キューシュー』で我が物顔をする『カズーロ』も絡んでそうだ」という物--全く、勇者に休みはないんだな。

 ……俺が勇者? 冗談も程々にしろよ。何で俺がそんな面倒臭いのを務めなくちゃいけないんだよ!

更新日:2020-02-08 15:08:25

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook