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その2
その2
アキラ
マッドハウス跡地の前で、タクヤとオレは向き合っていた
「俺、なんて謝ったらいいのか…。でも、まさか監禁までするなんて、聞いてなかったし…。俺も騙されたようなもんなんだけど、とにかく、申し訳ないことをしてしまって…」
タクヤは言葉に詰まりながら、まずは”加担”を詫びてくれた
「もういいさ。全部忘れるつもりだから」
オレがそう言うと、タクヤはほっとしたような表情で、吐き出すように、いろいろと話し始めた
「俺も、バンド抜ける羽目になっちゃって。あの後、家とか事務所に何度も連絡してきて、あることないこと言いふらされて…。ほとほと、参りましたよ。あの麻衣とかっていう娘がやらせてるのは、間違いないようなんだけど…」
今思うと、麻衣は最初からタクヤをローラーズのメンバーから脱落させることを、念頭にしていたんだろう
「ここしばらく、接触はなかったんだ。それが昨日、その娘本人から夜遅くに電話あって、アキラさん、きっとここに来るから会えるまでずっと待ってろ言ってきたんだ。それで、ちゃんと謝ってこいって。もう、女王様口調でさ…。まあ、いきなり会えたんで、こっちとしては助かったけど」
これは、オレにあてた、麻衣からのメッセージだ…!
...
タクヤは警察沙汰の件は承知してない様子で、”肝心”なことは何も知らされていないらしかった
「タクヤ、麻衣とはもう関わらない方がいいぞ。何言われても拒否しないと、また巻き込まれるぞ。面倒なことに…」
「ああ、そうですよね…」
そう言って、タクヤは足早に去って行った
あいつ…、結局プロになる夢を奪われて、いいように利用されただけって訳か
赤子さんの手紙の中にも、タクヤには相当きついことを言ったようなこと、書いてあったし
マッドハウスで一緒にステージ踏んだタクヤも、この夏、人生を狂わされた一人だ
やっぱり、麻衣はまだ何かをやらかすかも知れない
もっとも、剣崎さんがあれだけナーバスになってるんだ
相和会の力はもう使えないだろうし、麻衣にやれることと言っても、限りはあるだろうが…
ちょうどいいさ
明日、こっちから会いに行くつもりだったんだ
オレが言ったころで、アイツを止めることはできないだろうが…
アキラ
マッドハウス跡地の前で、タクヤとオレは向き合っていた
「俺、なんて謝ったらいいのか…。でも、まさか監禁までするなんて、聞いてなかったし…。俺も騙されたようなもんなんだけど、とにかく、申し訳ないことをしてしまって…」
タクヤは言葉に詰まりながら、まずは”加担”を詫びてくれた
「もういいさ。全部忘れるつもりだから」
オレがそう言うと、タクヤはほっとしたような表情で、吐き出すように、いろいろと話し始めた
「俺も、バンド抜ける羽目になっちゃって。あの後、家とか事務所に何度も連絡してきて、あることないこと言いふらされて…。ほとほと、参りましたよ。あの麻衣とかっていう娘がやらせてるのは、間違いないようなんだけど…」
今思うと、麻衣は最初からタクヤをローラーズのメンバーから脱落させることを、念頭にしていたんだろう
「ここしばらく、接触はなかったんだ。それが昨日、その娘本人から夜遅くに電話あって、アキラさん、きっとここに来るから会えるまでずっと待ってろ言ってきたんだ。それで、ちゃんと謝ってこいって。もう、女王様口調でさ…。まあ、いきなり会えたんで、こっちとしては助かったけど」
これは、オレにあてた、麻衣からのメッセージだ…!
...
タクヤは警察沙汰の件は承知してない様子で、”肝心”なことは何も知らされていないらしかった
「タクヤ、麻衣とはもう関わらない方がいいぞ。何言われても拒否しないと、また巻き込まれるぞ。面倒なことに…」
「ああ、そうですよね…」
そう言って、タクヤは足早に去って行った
あいつ…、結局プロになる夢を奪われて、いいように利用されただけって訳か
赤子さんの手紙の中にも、タクヤには相当きついことを言ったようなこと、書いてあったし
マッドハウスで一緒にステージ踏んだタクヤも、この夏、人生を狂わされた一人だ
やっぱり、麻衣はまだ何かをやらかすかも知れない
もっとも、剣崎さんがあれだけナーバスになってるんだ
相和会の力はもう使えないだろうし、麻衣にやれることと言っても、限りはあるだろうが…
ちょうどいいさ
明日、こっちから会いに行くつもりだったんだ
オレが言ったころで、アイツを止めることはできないだろうが…
更新日:2019-12-25 21:11:15