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第1章/パンデミック・イン九州③

パンデミック・イン九州③


≪先ほどお話ししたデータは、ファイルで添付送信しました。国上さんと私は来週、その投稿者に会うため北九州に出向きます。まずはご確認ください。野坂奈緒子さんへお伝えするかどうかは、和田さんの判断にまかせます≫

土曜日の夜、和田は超常現象の研究機関であり、都市伝説を含めた関連サイトを運営する会社アライブの主催者、鷹山からのラインメッセージを既読した後、添付されたファイルを開封した。

「これは…!」

そのファイルはサイト閲覧者からの情報提供・相談内容が記されたメール複数のコピーだった。

”日付はいずれも1か月半前だ…。ということは、三浦美咲を鬼島の”呼び寄せ夢”から引き戻したちょっと後ってことになる…”

この時点で、和田の背筋は寒気を帯びていた。


***


”鷹山さんと国上さんは”あの直後”、鬼島の呪いを媒介するキャッチ・スポットが、T高校のくびれ柳だけではなかったことを知り得ていたのか…。
だが、俺や奈緒子さんにはあえて知らせなかった。それは我々の”線引き”を尊重してくれてだろうが…。しかし、今日のニュースで中高生の連鎖自殺現象を報じられれば、俺たち二人…、いや手嶋にだって、それなりの想像は容易くつく。俺から連絡が来ることは予想済みだったらしいな、鷹山さん…”

和田は、2時間ほど前に北九州で起きている連鎖自殺関連のニュースを観た後、即鷹山のケータイに電話した。
その時の会話は、概ね以下の通りだった。






更新日:2019-11-07 17:00:58

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