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愛するが故…⑥

愛するが故…⑥


「私は昨夜カレの部屋に行って、よく確認してきたわ。リビングが偉い広くて、飲食はそこのテーブルでってことになるわ。で、部屋はひとつで、こちらも広さは10帖以上はあると思う。寝室を兼ねて、セミダブルサイズのベッドがあったわ。いい…、私は今月誕生日なんで、カレとは数日中に、そのバースデーを口実にしてセットする。そこを実行の場とするわ」

「…」

3人はフンフンと頷きながら、じっと私の話に耳を傾けていた

「私は料理を持ちこんで、そこで飲んで食べてダベる…。まあ、石橋さんが指摘したように、その際は事前に毒味のチェックはあるかもしれない。それクリアってことで、しばらく恋人同士は楽しいひと時を過ごす。そのあとのムードに達したら寝室で抱き合うわ。その間、予め私がトイレに行った際にでもさ、彼に気づかれないように玄関ドアの鍵錠を外しておくから。それで…、私がカレとヤッてる間に、あなたたちが部屋に忍び込みんでクスリを注入する…」

「うーん、それなら十分可能だな」

石橋が、今度はすかさず賛同の意を示したわ

さらに私は続けた


***


「…私たちが寝室に入るタイミング等の連絡は、ラインでやり取りしましょう。そうね…、事前に絵文字かなんかのサインを決めておいてね。万一、石神に画面見られてもわからないように…」

「おお、それはいいな。じゃあ、お前ら二人ががっつりエッチを終えた後、リビングに戻ってよう、ヤツがクスリ入りの酒をごくりとやってくれれば、後は眠ってもらうのを待つと…」

石渡は目をぎらつかせて、早くも生爪ベロリのリベンジを頭に描き浮かべてるようだわ(苦笑)


***


「そうよ。石神がぐっすりお休みとなったら、今度は堂々とあなたたち3人をゲストとして部屋に招き入れるわ。それで、縄なり手錠なりで石神を拘束して。決して解かれたりして抵抗されないように、これはしっかりとね」

「ああ、任しとけ。がんじがらめのグリングリンで、身動き一つできないくらいに拘束してやる!」

フフ‥、石渡のプー、もうすっかり康友への仕返しに燃えちゃってるわ


***


「その先は、もうどうにでもなるか…。なら、高石さんには、今の想定で最適のクスリを用意してもらわないとな」

石橋が高石にそう振ると、満を持したかのように高石くんは口を開いたわ

「ああ、慎重に選ぶよ。ターゲットの男は屈強で大柄だし、単なる睡眠薬じゃあ安心できないから、まあシビレ薬の類を調合するのがベターだ。その際、効き目の強さと体の自由を奪える時間もよく検討してみる。まあ、ここは、任せてほしい」

「おお、頼りにしてるぜ、高石。もっともさ、いっそのことヒ素とかの猛毒盛って手早く毒殺でも構わないだろーし。その辺どうなんだ、ルイ」

ここで、何とも石渡らしい提案が出たわ





更新日:2019-10-13 13:12:28

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