• 5 / 10 ページ

愛するが故…⑤

愛するが故…⑤



私の愛しい恋人殺害計画は既にできあっがている

ならば、即始めるしかない

既に昨夜のうちに、石渡へは全員集合を指示し、早速今日の夜、私の起案した計画における打合せ、…まあ作戦計画になるが、これを催すことにしたわ

その場所は決まっている

インセイン…

彼らとの集まりはここしかないし‥


***


「…という訳で、いよいよ計画実行に入るわ。3人とも、ホントにいいのね?私と石神康友を殺る!ここで、ラスト・アンサーの機会を与えるわ。退場するなら、これが最後のチャンスよ。これ以降の途中下車はできない。どうかしら、皆さん?」

何のことはない

昨日、カレの部屋で私が康友に言われたまんまよ

でも、やはりこの局面は、この踏み絵って必要だ

何しろやることが”殺し”だもん…


***


結果は全員、退場せずだったわ

よし…!

もう迷いなく走り出せる

私は早速、会議をスタートさせた


***


まず私は、今回の”基本設定”を3人に改めて告げた

要するに、互いに殺そうとしている恋人同士ではあるが、カレとの事前承諾で、私が殺しのアクションを起こし、それをカレが迎え撃つ…

最初にカレから仕掛けることはしない

少なくとも、初めはこれを”ルール”とする…

まあねぇ…、何と言っても、相手の男は元海外特殊工作隊の傭兵さんだもの

それくらいのハンデは申し受けたわよ

さらに、1対4のハンデキャップマッチってことも暗に了解を得て、私はそれで強行することにした

さて…、そうなると、あとはこっちがこのメンツでどう仕掛けていくかになるんだけど…


***


とにかく3人は、”それぞれ”でやる気が漲っていたわ

やや心配していた高石トールもここに至って、”その気”になってるのが表情でわかるし…


***


「なるほど…、ヤツの部屋で食事なり酒を飲む場を設けるんだな、まずは…。で…、機を見て飲み物の中に、高石があらかじめ用立てたクスリを混ぜ込んで、一旦おネムにさせる…。その間に我々3人が部屋に入り込み、ヤツが目を覚ます前に縛るなりして拘束すると…。そいで、ナイフとかでブスリとな…。さすがに化け物並みの強さとは言え、拘束状態で4人がかりなら何とか石神をぶっ殺せるだろう」

私の提示したスジガキを受け、最初に発言したのは石渡だった

それに対して、石橋から意見が出たわ

「でもさあ、今回は恋人のルイが自分の命を狙ってることは承知って設定というか、もう決まってることなんだし…。そうなら、一緒に飯食ってたら、毒とか睡眠薬とか入れられてないかって警戒するでしょ。どう考えてって。要は、そう簡単に薬物なんかヤツの体に混入できないってことになるよ。ましてや石神はさ、ただその辺にいるフツーの男じゃないんだから」

うん、これは至極当然の想定よ

じゃあ、ここでは再び私が補足するわ






更新日:2019-10-13 13:03:54

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook