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小説

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名前を狩る者 ネームスペシャル5続

 眠っていたのか? 其れよりも此の肉体は最早限界が近いのか? 体中がどれだけ最新医療で誤魔化しても満足に動く事も無茶無謀と来ている。筋肉で無理矢理骨にしがみ付かせても遅い。筋繊維は其処迄万能ではないし筋繊維が骨の代わりを果たせる訳がない。

「やあ、起きておったか。ワンクアムや」医務室だとやっと気付いた拙の部屋に一人の在る老人がやって来る。「もう戦うのは諦めるのじゃ、此れから先はあの怪物との果てしない戦いが待ち受けるぞ」

「『ゲームマスター』か、其れでも拙は戦わねば成らない。名前が未だ未だ必要なのだ」

「わからんのう、其処迄修羅道に身を落とす意味がのう。何故に戦って相手の名前を奪って其れを自らの苗字に連ねて行くのじゃ?」

「わからない。だが、本能でも在るのだ。名前こそ拙の生き甲斐、名前こそが拙がこうして拙が五体満足で生きている証」

「待て、さっき迄立つ事も箸を持つ事も困難じゃったお前さんがもう……ピンピンしておるじゃないか」

「不思議だろうか、精神力が肉体の回復を早めているのだ」非科学的で全く以って同意が出来ない理論では在る……「気とやらを拙は信奉しないが何でも東洋及び西洋医学では治せない病も治せる物を秘めるそうだな」が、其れでも万は超えるで在ろう人間の名前を奪って来た拙ならば精神論に応えられる。「故に拙にしか其れは適用されない」

「信じられんな、さっき迄心の奥底で限界を感じるお前さんが何事もなく回復するとは」

「いや、既に限界に達している。何れ拙も終わりを迎える日が近い。『デュエルシー』に倒されるか或は『チェン・チャンウー』に倒されるかの何れかに依ってだろう。だが」彼等が最後の相手だと知りつつも尚、負ける事を考えない拙が居た。「必ず勝つと断言出来る」

「其の傲慢さは顕在じゃな」

「傲慢でなくて如何する」其れからレアブラックストーン製のアサルトガン二挺を両手に拙はゲームマスターと擦れ違い様に部屋を後にして行く。「強者とは常に最強を目指す精神を宿す……故に拙は弱者に堕ちる事はない!」

「其の通りじゃな、ワンクアムや……」ゲームマスターは拙に戦いを止める事を諦める。

更新日:2019-10-09 04:19:12

最初だけ勢いの在る客寄せに作る掌編 その二