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相互殺意⑥

相互殺意⑥



「あっ…」

「ルイ…、どうした?遠慮せず声出せよ。しおらしくしてんじゃねえよ、粗悪オンナがよう…」

カレは無表情で意地悪だった


***


この時はもう、彼に張り付けにされていたと言ってよかった

私の両手は、自分の背中と椅子の背もたれで挟まれ、カレは半身で重心をかけ、もはや身動きができない

まるで後ろ手にとられ、縛られてるみたいで、カレの行為に何らの抵抗もできない哀れな体勢を晒していた

かろうじて、今の私に出来るてることと言えば、開かされている両膝を閉じようとあがなうことくらいだった

それも屈強なソルジャーの前には、閉じきれぬ貝のフタだった


***


ここに来て…、左横で密着しているカレのコトバは、天からの声に聞こえたわ

「お前には教えといてやろう。”この布”は”ターゲット”を絞殺する時、実際に使ったものだ。そうだな…、5人はコイツで絞殺した。全部女だった…」

ちょっとー!!

人の命を奪った狂気のその布って…

それ…、今、私の股間なの…??

それでゴシゴシって…

ああっっ…


***


「…中には素っ裸で抱き合ってる最中、これで締めて窒息死させたこともあったな。ああ、思い出したわ。中東の女で、確か30代前半…、いいオンナだった。ということは、今のお前とほぼ同年代か」

私はもうカレを直視しておらず、眼を瞑って低い声ながら喘ぎ声を上げていたわ

「…そん時オレの方は、そのオンナを絞殺した瞬間にイッたんだ。それは言葉では表しようのないエクスタシーだったよ。その”現物”が今、パンティー越しにお前の局部に触れている。…どうだ?人の命を奪った布で刺激されてる気分は…」

「あー、ああっ…!」

私の心臓の鼓動…

心経由で鼓膜が破れそうなくらいだ

私は間違いなくコーフンしていた






更新日:2019-10-07 22:54:33

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