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奇策あり③

奇策あり③


ここで私はドリンクのオーダーをね

今日のカレは、いきなりマルガリータだった

「まさか、それイッキはやめてよ。大事な話があるんだから、泥酔はダメよ」

「なら、さっさと話せ。メールでは、先日のオーディションの役ってことだったが…。その役、お前の恋人を殺る共犯者だろうが。その恋人は、俺たちの生爪を平気な顔してベロンチョしたあのイカレ野郎が演るんだろ?つまり、俺が殺す相手はそいつってこった。無理だぞ、そんなの。とてもかなう相手じゃない。逆にに殺されるって。酷い手口で…」

「じゃあ、なぜ、ここに来たの?」

「お前に殺しのシナリオがあると言うからだ。そんで、あの報酬…、迷ったが本当にヤツを殺れる算段が付くなら、乗ってもいいとな」

これは大変分かり易い理屈だった

助かるよ、ホント…


***



だがコイツ…、肝心な動機を言葉に出していない

”ヤツが憎い!”

うふふ…

そうよ、あの無敵のソルジャーを殺るには、何と言ってもモチベーションが大事だわ

恨み・憎しみ…

やはり、何が何でもやり遂げようとする鋼の意志、すなわち執念には、このテイストが不可欠と私は思うのだ



***


「じゃあ、私の起草した殺しのシナリオの概略を言うわ。まず、康友殺害の共犯者はあなた一人じゃない。他に二人よ」

「3人ってことか!要は、複数がかりであの傭兵くずれをぶっ殺すんだな?」

石渡…、鼻息荒いって(苦笑)


***


「”そこ”はまだいいわ。その前に、他の二人よ。それ、あなたが説得して来て」

「はー?なんで俺が…。第一、そいつら誰だか…、えー!…おい、お前、ひょっとして、”あの二人”をってか!」

「ご名答。3人仲良く康友にツメ剥がされた仲よ。私の企てる殺しの計画が勝算高いとなれば、どうよ、あなた達の気持ちは?」

「ああ、やってやる!ってとこに行くな、きっとほかの二人も」

ふふ…、計算通りの反応だわ





更新日:2019-10-09 16:10:08

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