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その2

その2
麻衣



どうやら、相川夏美め…

OGの立場になっても私に挑んでくる気だわ

また、あの人と水面下で策を競い合う訳ね

まあ、こっちとしてもその方が面白いけどね…

それにしても、湯本先輩の動きは早かったな

無論、策士の相川がマークさせてたんだろうけど

とにかく、あれじゃあ、仕掛けは不発だわ

むしろ今の件を聴取されれば、こっちには不利な材料になる…

集会後に突っ込まれるだろう

フン、どっちにしろタマはぶっ放してあるんだ

連中の出方次第で、臨機応変にやってやるさ

常在戦場は最初から承知だしね


...



でもまあ、一応、木戸ちゃんには念押ししとくか

こういう状況となれば、フォロー願うタイミングも大事だし

よし、ここは久美だな…

私は久美を呼んで、木戸先輩への”メッセージ”を託した

「いいかい、久美…。恵川先輩がいないところで話すんだぞ。いや、いないだけじゃなく、周りの人間にも注意して、絶対にあの”控え”には勘ぐられないように接するんだ。話す表情にも神経を配らなきゃダメだぞ。集会の”最中”に伝達する意味、わかるよな?」

私はいつも以上に、こってりとレクチャーした

「うん、わかってるつもりだよ。こっちの立場が、事前に考えていたより厳しいってシグナルだね?」

「そんなとこだよ、久美。だいたいはな。なら、頼むよ」

久美は私の言い回しを、だいぶ読めるようになってきたようだ

こいつには時機を見て、真樹子さんに会わせておくか…

ああいう人の身近にいれば、久美の立ち回りにも磨きがかかるんじゃないかな


...



さて、総集会は新執行部のあいさつとなったわ

今、矢吹鷹美補佐が台上に立ってる

今後を見据える上で、是非、取り込みたいと思っている重要人物だ

集会後のテント内で、この人がどういう立場をとるか…

まずは今日の反応を伺ってからだ…




更新日:2019-10-07 00:16:22

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