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その5

その5
祥子



みんな、笑ってるわ…

だが、おとといの夜、麻衣と横田が相和会の会長と会った時のハナシ…

私には言いようもなく、ゾクゾクしたものを感じたよ

こいつら、相馬さんの前で”何か”を確約したんだろうな…

”ヤバイ”ことなのはわかってる

要は、そこまでフツーの女子高生を引きこんじまったんだぞ、麻衣…

それの是非など、私が言及する身じゃない

それは承知してる

だがよう…、いいのか?

横田をそこまで引っぱり込んで…


...


私は横田の純粋な目に魅せられた

だから、これからはフェアに行く

お前は横田と思いっきり、がっつりぶつかればいい

南玉を背負った横田と、それに”一言あり!”で立ちあがった、猛る女達を掌握したお前が正面激突した続編なんだろうからな

遠慮なくやれ!

私はそばで目撃者となるぜ


...


でも、ここにいるみんなは違うだろうな…(苦笑)

真樹子さんやリエは、麻衣に現実的な”欲”を求めてるよ

まあ、それが自然だわ、やっぱり…

だが、私はどちらかというと、麻衣には”そこ”に行くなーって叫んでたしな…(苦笑)


...



あの土砂降りの日…、あの廃倉庫で…

麻衣と真っ向タイマン張って、私はお前の”無欲”と”貪欲”に負けた

負けた瞬間、複雑だったが、不思議なほど爽快だったよ

ガチンとぶつかって、丸裸の自分を互いに見あってるような、開放感に浸ることができたってとこだった

なにしろ、この都県境で相和会会長と繋がってると周知された少女が、あんな戦いを私みたいな女に挑んできたんだ

私には信じられなかったって

金と権力なんかそっちのけで、私との”命がけ”に身を捧げた…

まあ、単純にうれしかったしな…


...



相馬会長は、お前と横田をその場で”どこか”へ導いたってことか…

凄いことだわ、それ…

麻衣…

私はお前らのぶつかり合い、どうしても傍で見届けてーわ

ってことで…、南玉に戻るっての、OKだぜ

それのために、土下座くらいなら私も厭わないしな…






更新日:2019-09-28 10:54:24

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