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その6

その6
砂垣



「まあね。じゃあ、金曜日に言ったこと、今日話すつもりだったって承知してたんだね?」

助手席に目をやると、彼女はにっこり笑って「はい」だって

「だが、まあ、一応理由は言っとこう。あの話は今のキミ個人にとっても、関連って言うより”関係”があると思ったからだ。無論、キミと一緒に帰る口実を考えていたんで、あの席を離れてもらいたくなかったこともある」

「砂垣さん、私からも一言いいですか?」

「ああ、何?」

「私、謝ります。…砂垣さんのこと、これまで誤解してました。今日、みんなに一生懸命説明している姿、ちょっと意外だったんです。砂垣さん、あそこまで考えてて偉いなあって…、感心しちゃいました。いつかバイト先では、失礼な態度でしたよね。ごめんなさい」

「いいって、いいって。はは…、俺の評判、ひでえもんな。無理ないわ」

まったく、この子の純真さとまっすぐなひたむきさ加減は聞いてはいたが、改めて驚くや

考えてみれば、今ここの二人って…、最高に評判のよくない男と最高に評判のいい女の子ってことになるじゃん(苦笑)


...



「こんなとこで悪いね。あまり遅くなるのも避けたいんで、車内で話すってことでいいか?」

「はい」

俺は、横田のアパートに向かう途中のコンビニに車を止め、ここで話をすることで了解を取った

いよいよ話すぞといったところで、また躊躇の気持ちが湧いてきたわ

こんな健気な16、7の子に、余分な心配を強いることにもなり兼ねないんだが…

この子に話すことは散々迷った末だ


...



「最初に言っておくと、さっきベッツでみんなに話したこととは関連してくる。一部は重複するよ。まあ、キミのことだから承知してるとは思うが…」

彼女はここでも、なんとも幼気な面持ちで、「はい」とだけだった

「…実は俺、麻衣を諸星さんに面通ししてさ…。その後に、改めて会ってるよ、あの二人。諸星さんは、麻衣にその気があれば相和会に代わって後押しする考えだったから、ヤツには率直に誘いをかけたそうだ。だが、麻衣はきっぱり断ってきたらしい」

「そうですか…」

彼女はちょっと驚いていたかな…







更新日:2019-09-11 15:26:22