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その10

その10
ケイコ



「…それは何も商売とか、人の弱みに付け込むとかだけでなしにね、あらゆる面でってことで言えるんだ。自分たちに得になることなら何でもだ」

ここまでは分かりやすい

で、麻衣のことにどう結び付くんだろうか…

「…麻衣に関して言えばね、仮に何が何でも消したいと思ったら、それのできる切り口が”隙間”になるよ。角度を変えれば、できない諸事情をクリアする方法の、あるなしだ」

私はここでちょっと鳥肌が立って、ゾクッとした

なんだろうか、この感覚…


...



「…麻衣には手が出せないは側面は、麻衣が相和会の関係者だということになるが、厳密には、麻衣を消せば相和会の報復があるからだよな。であれば、麻衣を消しても、相和会から報復を受けない方策はないものかってことだわ。その”隙間”を連中は探しているとして…」

砂垣さんは淡々と話を続けた

私の鳥肌もさらに続いた

「…俺が考えるには、あるとすれば、麻衣の立場が相和会内部の人間と、そうでない立場の両方の顔ってことがポイントになってくるとね…」

「両方の顔ですか…。でも、麻衣が倉橋さんの婚約を解消しない限り、相和会の関係者という立場は外せないと思いますが…」

「そうなんだけどさ、”顔”は使い分け可能だよ。今後、麻衣が大打らと対峙するとなったら、ガキ社会の”顔”としてだよ。まあ当然、相和会の幹部夫人になる女って立場は、本人も周りも承知しながらになる」

「はい…」

「…要はさ、未成年の少女って、かなりイレギュラーな要素もあってのことだよ。端的に大打とケンカとかね、そうなっても、とりあえずは”顔”の使い分けはできるんだよな。だって、みんなの前での話だって、相和会が表立ってはいくら何でもってんで、”とりあえず”は麻衣が出てくるんじゃないかってことも、”顔”の使い分けがスルーしちゃうって解釈じゃん」

砂垣さんは、ちょっと笑いを交えて説明してくれたわ

「なるほど、理解できました…」

私はすんなりと了解したわ

で、その続きだ…


...


「そんで、まあ、こういうことだよ。…仮定の話として、大打が麻衣を殺ったとしたらさ、大打のバックが星流会なり東龍会なりなのは公然だから、単純にガキ同士のトラブルでは片づけられず、今言った、組織間の報復に至るのが自然だよな。しかし、もしもだ、相和会側がガキ同士の範疇ってことで見なしてしまったとしたら…。いわば、麻衣を消されても不問に帰そうというケースだ」

「不問…!」

そんなケースって考えられるのかよ…

「普通に捉えればそんなこと無理となる。だが、仮に不問を受け入れるに値する、そんなバーターオプションが、その時点の相和会サイドに存在したとしたら…。こんな表現は避けたいが、麻衣を犠牲にしてペイできるメリットがあるかないかってことで判断して、それでもし…。それがそのケースに当たる」

「そんな…」

いくらなんでも、そんなことはないでしょ…

私の頭の中には、剣崎さんの顔が咄嗟に浮かんでいた






更新日:2019-09-11 15:34:19