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その7

その7


「その延長で、もしかすると諸星さんも、やんわりとはその展開を予測してたか望んでいたか…。坂内さんはまあ、予測まではなくとも相和会に変化がなければ、諸星さんを泳がせることは最初から決めていたと思いますし。まあ、砂垣にはどの程度知らされていたかは定かじゃありませんが」

「ちょっと待ってくれ。頭がこんがらって来たぞ。タカハシ、これって、皆出来レースってことじゃないのか‥」

「流動的要素をもって、暗黙でってことはあるかもしれませんね。ノボルさんは、今のオレの解釈に懐疑的でもいいんです。ただ、可能性としては頭の隅にでも入れてもらった上で、今後もこの地でしっかり見届けて行って欲しい。すべては来るべき時期にアクションを起こす、オレ達のプラスにつなげるためです」

”この時の最後の方は、ヤツの言う通り、頭の隅に置いとくレベルで聞き入れたわ。だがこの後、都県境はまるでタカハシの推論をなぞるようにコトは起きていったよ。信じられなかった、さすがにリアルタイムではな…”

大打ノボルはこの日、タカハシからの分析私見と想定予測の現実過程を、今後その目で見続けることになる…。

...


その後まもなく都県境では、排赤×反排赤という構図に乗って、砂垣一派と紅組の決着決戦を迎え、完敗を喫した砂垣とグループの主力はフレームパージの身となる。

諸星はその砂垣を、もう一つの裏ポジションであった愚連隊の顔役として囲った。
このフレーム外で砂垣は、水面下から墨東会を巧みに誘導し、紅丸有紀の目指した完全再編を拒んだ。

しかし勢いの止まらない赤塗りのムーブメントによって、旧来の都県境勢力図は、明らかに女集団の影響力が増すことになり、その勢いを止めることはできなかった…。

この過程を以って、彼の視界に赤い影がちらついていた。

そして、持病の悪化が周知となった相和会会長相馬豹一の後継を指名されていた実子、定男が急死する。

それは、負傷を負っての入院先から飛び降りた自殺であったのだが…。
その裏には、ある女子高校生の関与があった…。

かくて、そのぼんやりとした”赤”は、ノボルにとって、真っ赤なカベと化していく…。






更新日:2019-09-10 03:47:44

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