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その5

その5



ここでノボルは頭を整理してみた…。

”東龍会はオレ達ガキとのパートナーシップを、いくつもの側面でメリットオプションとして捉えているんだろう、要は…。大前提は新たなガキ市場でシノギを増やすことになるが…。その前提のもと、今般パートナー関係を結んだ傘下の諸星ー砂垣ラインで、スキーム構築の実践試験段階に入る。これが今時点の事実状況だな”

”そこで、その活動拠点となるのが、今や東西両大手双方の脅威に達している相和会の縄張りと隣接する東京埼玉境だ。いわば一触即発の緩衝地帯ということさ。だが、今回の諸星・相馬間ではこの流れが暗黙の了解となっているようだと…”

...


”一方、折本さんが今話した内容をかみ砕けば、ガキとのニュースキームは時代の趨勢を得ていると、東西は認識を共にしているらしい。この背景を合わせ考えればだ…、これから都県境で星流会とのタッグを組んだ砂垣のムーブメントは、東龍会にとって中長期的な収穫の芽を撒くことになるよ”

”まず、傘下の諸星さんをガキとのスキーム構築の実験台にして、オレらとの連携スキームのたたき台にできる。時期が来れば、業界では需要が周知されたガキスキームをモデル商品化して関西にセールスも見込めるってことだ。このことで、東龍会の関東内におけるポジションは格段にアップさせることもできるし…”

...


”さらに、縄張りの庭先で星流会がガキを動かすことには、相馬会長から実質的な容認を得ている上、その過程で相和会に何らかの攻め口が浮上した局面では、ガキを媒体とした侵攻にも打って出られる余地を有する。場合によっては、関西と足並みを揃えて長年の宿願だった、独立系の雄・相和会攻略という可能性もありだろう”


”ふう‥、坂内さんにとって、中長期的なオレ達とのパートナーシップは、流動的な局面をトータルでプラスに取りこめる下地が敷かれているってことでいいんじゃないのか…。究極的には、東龍会の地位が高まるレール上に乗った。そう思うぜ”


ノボルは短い時間でここまでの精査し、自分なりの解釈を導き出すのだった…。



更新日:2020-05-21 23:48:35

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