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輝く体

泣きながらハダカ王様はまぶたをプルプルさせて目を覚ました。


「やった!」

思わずガッツポーズ

「わしはついに光の衣を手にいれた。見ろ。わしはもう死ぬことはない。不死身じゃ」




 次の日王様は家来全員を会見の大広間に集めた。

「諸君。ワシは世界一幸せな王様だ。愚か者にはけっして見えない服。そしてこのたびは、信じない者にはけっして見えない光の衣を手にいれたのだから」
 

そう言って王様はスヌーピーのパンツ一枚のまま踊りだした。
「あははは。見ろ。わしの最高の服を。お前たちにはこれが見えるか? あははは」

 翌日から王様の病は完全に回復してピンピンと元気になった。そして財務大臣に命じて、王宮の財宝をかたっぱしから、貧しい者たちにばらまきはじめた。



「ハダカだ。ハダカだ。みんなハダカになって、ユダヤのハダカの王様を信じて、決して死なない光の衣、復活の体をもらうんじゃ」




3か月後、内閣はハダカの王様から王位をはくだつし宮殿から追放した。王様が王宮の金を全部貧しい者たちにばらまいてしまったからである。
 

パンツ一枚の王様を見て人々は口々に王様をののしった。


「愚かな王様」

「ハダカの王様」


「一文なしの王様」

 
すると群衆の中からあのときの少年がとびだしてきた。


「王様はハダカじゃないよ。王様の体はひかり輝いてるよ!」



めでたし、めでたし。





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更新日:2019-09-04 01:23:54

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