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その7
その7
アキラ
あれからどのくらいの時間が経過したかな…
ケイコちゃんとオレ、とにかくくっついてた
暑いのに、べったりだ
オレが結局、大阪に辿り着けなかった”あの日”の夜から、ずっと離れてたんだ、オレ達…
その間、二十歳を過ぎたオレはともかく、この子、高2で塀の中にも入ってた
そう思うと、汗がべっとりでも、離れられないって
クソッ、この夏!
何なんだっての!
...
オレの左手を”ロック”していたケイコちゃんの右腕、震えが止まったな
左斜め下に視線を遠慮がちにおろし、ケイコちゃんに言葉を投げかけてみた
その第一声には、思いのほか、エネルギーを要したよ
まるで、瀕死状態の大切な人間に、”息吹”を吹き込まなきゃって
ぶっつけ本番、それは、まさにそれだった
その”息吹”たる言葉は、ごくありふれたものであり、かつ、へんてこりんだったかもだ
「ケイコちゃん、そろそろ話しかけても、ほんとに大丈夫か?」
「…」
彼女はとりあえず無反応だった
「じゃあ、しばらくこのままでいよう…」
二人はひたすら汗を流し合いながら、ちゃんと会話できるまでの時を待っていた
まあ、そういうことだよ
オレ達の今、言ってみれば、まるで七夕の夜だもん
いや、昼だ
アキラ
あれからどのくらいの時間が経過したかな…
ケイコちゃんとオレ、とにかくくっついてた
暑いのに、べったりだ
オレが結局、大阪に辿り着けなかった”あの日”の夜から、ずっと離れてたんだ、オレ達…
その間、二十歳を過ぎたオレはともかく、この子、高2で塀の中にも入ってた
そう思うと、汗がべっとりでも、離れられないって
クソッ、この夏!
何なんだっての!
...
オレの左手を”ロック”していたケイコちゃんの右腕、震えが止まったな
左斜め下に視線を遠慮がちにおろし、ケイコちゃんに言葉を投げかけてみた
その第一声には、思いのほか、エネルギーを要したよ
まるで、瀕死状態の大切な人間に、”息吹”を吹き込まなきゃって
ぶっつけ本番、それは、まさにそれだった
その”息吹”たる言葉は、ごくありふれたものであり、かつ、へんてこりんだったかもだ
「ケイコちゃん、そろそろ話しかけても、ほんとに大丈夫か?」
「…」
彼女はとりあえず無反応だった
「じゃあ、しばらくこのままでいよう…」
二人はひたすら汗を流し合いながら、ちゃんと会話できるまでの時を待っていた
まあ、そういうことだよ
オレ達の今、言ってみれば、まるで七夕の夜だもん
いや、昼だ
更新日:2019-08-23 23:14:08