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小説

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その6

その6
夏美



「そうなると、人間、過去のことまでさかのぼるんだ。無論、二人に任せっきりだった俺達の責任もある。だが、あくまで全権委任された二人の南玉連合幹部会での実際と、我々への総意取りまとめ、そしてその報告が適切を欠いたと言わざるを得ないという結論に達したんだ。すべて挙げたらきりがないから、今日、この場では先般の荒子体制に移行した総集会について糾弾したい」

ここで私には木戸真澄がなぜ、有川先輩を今日ここに呼び込んだのかが、おぼろげに掴めた…


...



「…あの日、二人はOB・OGの世代シフトを提案したね。土佐原・甲斐由美子両人は一歩下がり、現役に近い夏美を新たなOG代表とすると…。だが、我々ははっきり言って反対したんだ。一歩下がってご意見番が今まで通りなら、それは院政だよ。そんなら、一挙に現役に近い世代へバトンタッチすべきだとね」

まさか、OB・OG連の中でこんな見解の衝突があったなんて…

「我々が反対したのには、伏線があるんだ。由美ちゃんと土佐原さんの”癒着”、そして現役との繋ぎ役として、インサイド誘導があると疑惑の目で見られていたから…。具体的に言おう。インサイダーの相手方は夏美だよ」

ついに私の名前が飛び出したわ…

「…それを改善できることを条件に、我々は旧執行部を引責辞任した間際の夏美OG代表就任を了承したんだ。ところが、今回の本郷麻衣処分の件で、夏美と土佐原さんは事前折衝していた。これがはっきりしたんで、土佐原さんを糾弾したところ、昨日の幹部会の2日前、中央公園で本郷追い落としの事前合意を交わしていたってね…」

やられた…、本郷だ!

私は咄嗟に察したが、もはや手遅れだということは明らかだった


...



「…その時点では、ウチらは事案さえ持ち込まれていない。これは明らかに、幹部会決議事項を事前誘導したことになる。これが明らかになった限りは、二人を弾劾せざるを得ない。自分からは以上だよ」

うかつだったわ

まさか、アイツら…

我が南玉OB・OGの大御所にまで魔手を忍ばせていたなんて…




更新日:2019-08-23 20:02:56