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小説

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その5

その5
夏美




土佐原先輩が弾劾…

私は衝撃で一瞬、頭が真っ白になったよ

でも、有川先輩が真澄の誘導で会場に入った時点で、はっきりと認識を得たわ

本郷と真澄のメインコラボレーションは”これ”だったんだと…


...


「まず冒頭に、我々南玉連合OB・OG連の正式決議として、昨夜、土佐原さんを弾劾処分としたことを報告する。その理由だが…、我々は、長くOB・OG総意のとりまとめを土佐原さんと由美ちゃんに、ほぼ全面委任してきた。それは、二人が4年前の赤塗りで従来の男所帯だった南玉を、女性主体勢力へ転換させた功労者だったからだ。あの二人が多くの障害を乗り越えてきた故、今、都県境最大の女性勢力の基盤が築けた。それは、ここにいる皆が周知の通りだ」

その通りよ…

紅子さんの提唱を、その下地が十分整わない段階で私たちの世代が即行動に起こし、それはすぐに輪となってみるみるうちに規模が拡大していったわ

実際に行動する側の私たちと、旧来の暴走族一辺倒で活動してきた世代のグループとの掛け持ちは、言語を絶する作業だったと思うよ

「…だがね、我々の世代間ではさ、紅ちゃんの構築した赤塗りへの抵抗は、根強いものがあった。俺もどちらかというと、全面的に受け入れてはいない立場だったしね。だがよう、ここ1、2年で南玉のムーブメントが他県にも波及され、今や、星流会の庇護下の墨東会や愚連隊系をけん制する勢いにまで達したんだ。凄いことだと思うよ」

有川先輩‥

この先輩には、まさに土佐原先輩らとその他のOB・OGとの接着剤的ポジションを長くになっていただいたんだよね…

私たちは、そのご苦労を忘れがちだったと反省する必要があるよ

...


「…だからこそ、今、必死でムーブメントを先導しいてる君ら現役を可能な限り後押ししようと、我々の世代は様々な異論を抱えながらも、土佐原さんと由美ちゃんを現役の窓口として任せて来たんだ。だがね、今は全部言えないが、社会人となった我々の世代でも、年々いろんなしがらみが生じてね。世の中の移り変わりもある。その結果、あの二人に決定的な不信感を買う出来事が起きてね」

はっきり言って、見えないところでは複雑な人間模様が展開されていたんだろう…

私は言いようのない、自己嫌悪に近い気分に陥っていた





更新日:2019-08-23 20:01:19