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その3

その3
祥子



「津波さん、こちらこそ引き続きよろしく。では、他のメンバーに尋ねるとしよう。本郷が出て行ったのなら、自分も脱退したいという者がいれば遠慮はいらないから、申し出てくれるか」

久美、出番だぞー(爆笑)

「私は脱退します!」

おお、勢いよく椅子から立ち上がり、セリフも元気いいねー

「麻衣がいなくなったら、”私達”は南玉にいても意味ありません。みんな、そうだよね!」

シーン…

おお、いけねえ…

思わず吹き出しそうだわ(苦笑)

「みんな…、どうしたんだよ!静美、なつき…、私ら結成メンバーは麻衣に引っ張ってきてもらったんじゃない。恩を忘れたのかよ!」

セリフより、他のメンバー見てて笑いをこらえる方がしんどいや(苦笑)

「どうだ…、北田は抜ける意思を表明したけど、他は…。繰り返すが、遠慮は無用だから、後悔しないようにな」

「荒子、態度保留もアリにしたら?」

いやあ、執行部も憎い演出だねー


...



「そうだな。じゃあ、今日決められない者は態度保留を申し出てくれ。どうかな?」

「みんなー!」

シーン…

久美、いい味出してるって…

名役者だ(笑)

「うーん、なら、このまま残るってものは挙手だ」

「はい」

「はい…」

久美を除いて全員挙手だわな、申し合わせ通りってことで…

「うそー!みんな、ホントにいいのかよ!クソッ…」

「…よし、これで全員態度決定だな。北田は、外でいづみと今後の段取りを話し合っててくれ」

おお、久美がものすごい目でみんなを睨んでる

いいぞ…

これは今後の展開では極めて有効だよ、はは…


...


「ええと、ちょっと意外だったかな…」

狂犬娘のこの一言は、偽りのない本音と見ていいだろうな…

「荒子、参考までにドッグスには、ちょっと聞きたいんだけど…」

矢吹さんだわ…

「ああ…」

「…津波さん以外のみんなに聞くわ。私たち、北田久美と一緒に行動を共する子が半分くらいは出ると見ていたんで、ちょっと驚いてるんだけど…。よかったら誰か、理由みたいなものあったら聞かせてくれるかな」

「じゃあ、私が…」

なつき、ガンバ!


...


「あのう…、私たち、確かに麻衣さんには凄い世話になったんで、本音は麻衣さんと行動を共にしたいんです。でも…」

「でも…?」

「みんなとは、よく話し合って決めたんです。麻衣さんと一緒にやっていきたくても、久美さんと一緒はいやだって。…あの人は麻衣さんを追って脱退することは昨日断言していたんで…。今日になって、次のリーダーが祥子さんだったら、ドッグスに残ろうってことでまとまったんです…」

「そういう訳だったの…。じゃあ仮に、ドッグスの本郷の後任がよ、ドッグス以外の南玉プロパー幹部だったらどうだったかしら?」

「その時は、幹部の方にドッグスメンバーの総意で祥子さんを推薦して、却下されたら出ようって話してました」

「そう…。もう一つだけ教えて。何で北田を拒絶なの?」

「あの人、麻衣さんの片腕気取りで威張っていたし、伊豆の集会で馬美さんが追放されたのも、あの人がいろいろと…」

私はもう笑いをこらえるのが限界となり、腹がよじれそうで顔は真っ赤だったわ

なつき…、名演技じゃなく、素でいってるって(爆笑)

みんなも腹抱えて、笑いをこらえるのに必至だろうが


...


と思って、後ろを降りかえると…

おー…

みんな俯いてるが、笑いこらえてない!

こいつら、ホント、マジだったの…?


...


その後、久美はそのまま会場には戻らず、”本件”は結審となったわ

個人的には、ここで終わりでいいんだけどな…

麻衣が承知しねえんだから、仕方ねーよ

ああ、やだわ…

”この後”を考えると頭痛くなってくるわ

帰りたいって…


...


「よし…!じゃあ、他に特段の審議がなけりゃ、今日の臨時幹部会はこれで閉じたいと思うが…」

来るぞ…

「ちょっと待って、議長!」

「ああ、真澄先輩…。まだなんか、あるんすか?」

「あるわ」

やだわ、マジ…

帰りたいって…




更新日:2019-08-23 21:39:27