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その5

その5
夏美



「真澄先輩…、本郷との繋がりひとつ取って、私としては咎めるつもりはありません。本郷だって、個人的な信頼関係があってこそ、先輩に持ち掛けたんでしょうし。それを受けた先輩も危機意識を持ってたからこそ、南玉の為を思ってくれて、今回の行動だと解釈しています。鷹美といづみはどう思う?」

荒子が切り出した

実にバランスのとれた見解を述べたわ

「私は荒子と同じ考えだわ」

「私もそう思う」

鷹美に続き、いづみも荒子と同調の考えを示した


...



「うん。では、相川先輩はいかがですかね」

「そうね、本郷麻衣は今までのこともあるから、はっきり言って要注意人物よ。おそらく、あの子もそれを自覚してる。だから、直に執行部ではなく、従来からやり取りのあった真澄に持って行ったって言うのは理解できる。真澄がいち早く動いたのも、何しろ緊急性を考慮したんだろうから、独断での行動と言う点で責任を追及するまではどうかと思う」

私はあえて、細かい補足を付け加えておいた

真澄には今の段階から、それなりにシグナルを送っておかないと


...



「では、真澄先輩、みんな先輩の今回の行動については、特に責任を追及しないということです。そこで、この際南玉としては、どういう方策を講じるべきだとお考えですか?」

「私としてはね、この状況下では、本郷麻衣の橋渡しで岩本と話を付け、これまでの敵対関係を一旦棚上げにするしかないと思うわ。波沢丈子はその姿勢を南玉が表明すれば、各県を説いて、南玉とも手を携えるはずよ」

これが真澄の提案か…

ちょっとニュアンスは違うが、方法論はほぼ予想した通りだ


...



「うーん、真澄先輩の提案を決断するには、かなりの勇気が必要ですね。紅子さんの理念を守る南玉が、岩本らと安易に手を組むなんて…。鷹美といづみの意見はどうだ?」

「波沢さんと話をつけるのに、岩本さんと先に関係を改善させるってのは、本末転倒でしょう。しかも、過去に問題を起こしている本郷に仲介を頼むなんて、反対です。波沢さんと折衝するにしても、他の方法を試みるべきです」

「私はそもそも本郷なんかの1年坊に頼ること自体、我慢できない。反対です!」

これは…

あの荒子が一番ソフトな反応で、鷹美は毅然と正論をぶつけ、いづみに至っては本郷への感情論で、仲のいい真澄にキッパリ反対姿勢だわ


...


「では、相川先輩にも伺いましょう。どうっすかね?」

「私の考えは鷹美と全く一緒だな」

今度は端的に答えた

さて、これを受けた真澄の反応はどうかな…




更新日:2019-08-21 18:18:00