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小説

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その1

その1
麻衣



大嫌いなアリがデカい顔をする時期だな

逆髪神社の駐車場では、土止めのコンクリートに沿って、無数のアリどもがテキパキ行進中だ

私はいつも携帯してる消臭スプレーを”奴ら”にめがけてひと吹き、ふた吹きさせてね…

働き者さん達が七転八倒する様を眺めていた

おお、よだれが垂れそうなくらい、いい絵だ、キャハハハ…

「よう!麻衣…」

ああ、祥子が到着だわ


...



「いよいよか…。なんか、気持ちが高ぶってきたな」

「祥子、おそらくは、今言ったシュミレーション通りになると思う。もっとも、明日の執行部会での結果で軌道修正もありだ。明日の夜、電話するよ」

「ああ、待ってる。それで、片桐さん達はどうなんだ?リエが相当イラついていたぞ」

「聞いてるよ。せっかちだからね、リエは。ふふ、片桐さんの決断は間もなくよ。そのレールは敷かれたしね」

「よし、私も本格的に準備にかかるか」

「お願い。ここまで来れば、一気に動かないと。向こうは南玉の動向をじっと注視してるわ。タイミングをみて大義をぶち上げてくるからさ、事実上、そこで敵味方が区切られるわ。アンタを除いてね…(薄笑)」

「まったく、したたかな野郎だよ、お前も真樹子さんも。ああ、そのアンコウさんて先輩もな…」

「まあ、相川がどう出てくるか、アイツとはまた策を競い合えてウキウキしてるわ」

「いやあ、片桐さんじゃないけど、そういうのはお前らに任せるわ。策謀じみた手は気分良くないが、まあ、そんなきれいごとばかりでもしょうがないんだろうし…」

そうよね、祥子は小細工抜きの竹を割ったような気質だし、本来、私ら側の人間じゃないのかもね


...



「ああそうだ。プールバーで矢吹鷹美と会ったんだわ。ヘへ、あの人、できるうちにって、握手を求めてきたよ。好きなタイプの人間だし、本音としては向き合いたくないけど…。何となく、”この先”は見えてるんだろうな、向こうも…」

矢吹さんか…

「よかったじゃん、そういう機会を持てて…」

あの人とはこれで決まったか…





更新日:2019-08-21 18:12:10