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小説

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その1

その2
真樹子



ブオーン!ブブ、ブオーン!

ハハハ…、この廃倉庫が教習所になってるよ

「どうだい、久美…。あれが、墨東を出る前後に私に群がってきた連中で残った5人よ。正規の赤隊以外で拾った予備選力。今からリエが精鋭隊に仕上げてくからさ」

「はあ…、5人か…。あとは使えないってことで、切っちゃったんですか?たしか20人くらいいたんですよね?」

「うん。リエの部隊としてはあの5人に絞ったの。後の連中は私が他の使い道考えるから、ストックしてる。まあ、いずれはその何人かを久美の下に置くから。そのつもりでね…」

「えーっ、私につけてくれるんですか?わー、夢みたいだ~」

全く、かわいいったらないわよ、私の妹は(爆笑)


...



「あー、もう全然ダメだ!いいか、今度の日曜、今から言う場所に集合よ。いいコースがあるから、次はそこで訓練に入るわ。朝7時半、時間厳守よ。じゃあ今日はここまでにしよう」

「お疲れ様でしたー」

5人は汗を拭きながら、廃倉庫を後にして行ったわ

まあ、私の目からはいい線言ってると思うんだけどね…

「リエ、ご苦労様。はい、タオル…」

「ああ、どうも…」

「でもさ、初っ端から厳しすぎない?脱落者はなるべくね…。ただでさえ少人数なんだし」

「真樹子さん、それは妥協できないですよ。私の部隊は最前線に突っ込むんだもの。下手すりゃ、捕まっちゃうのよ。私のペースに着いて来れなきゃ、切り捨てるだけね」

タオルを首にかけ、バイクに跨ってるリエはビシッと私にこう返してきたよ

いやあ、さすが仕事人だわね

ああ、ちょうど昼じゃん…


...



「…お待ちどうさま。こんなもんしかなくて…。はい…」

久美がおにぎりとお茶を買ってきてくれてね

私たち3人は廃倉庫の外で胡坐をかいて、質素な昼食だ

空を仰ぐと、もう真夏の日差しが居座ってるみたいだ

「なんか、遠足みたいですね」

遠足か…

久美はご飯粒を口元にくっつけたまま、まるで幼稚園児みたいだ


...



「真樹子さん、片桐さんとはいつ会えるの?」

「うん…、基本方針がはっきりしてからってことだからさ。まだ、あっちは慎重姿勢崩さないのよ」

「基本方針って、4者会談で合意済でしょ。違いますか?」

リエめ、お前は相変わらずせっかちだ…

「はは…、リエ、あの場は条件付き合意だからさ…。”それ”のクリアはようやくメドついたし、まあ、時間の問題よ」

「この際、豹子にも言っておいてもらいたいんだけど、実際に戦闘部隊で切り込む立場からしたら、然るべき前提のもとでやってる。それなりに準備があることだし。ダラダラ模様眺めしてる時間はないわ」

言いたいことはわかるが、紅組を共に抜けた同志9人の先頭に立つ片桐さんの心中もあるしね…

「久美、そう言うことだから、麻衣さんには今のリエの言葉を伝えておいてね。まあ、リエ、間もなくだから。そのつもりでいいって…」

リエはすでにおにぎりを平らげていた

で、手にしたお茶を足元に置いて、不愛想に口を開いた

「久美、悪いけど、ちょっと外してくれる?」

「あ…、はい。じゃあ…」

リエのやつ、来るな…





更新日:2019-08-19 21:15:52