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その4

その4
ケイコ



ところが、割とすぐに頭を整理できたわ

「亀山さん、あなたはバカ正直な人だね。はは、嫌いじゃないや、そういう性格。まあ、そこまであなたが私のことで耳に入ってたんじゃ、無理ないよ。納得だわ」

亀山さん、目をぱちくりさせて、きょとんとしてるわ

「ははは…、あのさあ、私が最初に言った”線引き”はこっちの言い分だよ。それに対して、あなたも言い分をぶつけてきた。ああ、そうだったのかってとこだよ。もちろん、全部肯定ってことではないけどね」

この言葉は自然に任せたものだったよ

何の駆け引きもない

無論、彼女に対して同情とか、変な取り繕いもなかったし

だって、その通りじゃんて思った

”それ”に従ったまでだ、私の”口”は…


...



「とにかくさ…、私はそこまで自分のこと話題になってるなんて思ってないんだもん。いつも驚くよ。だから、自分の想像以上のそこまでなら、自分の考えてる基準もよく考え直さないとねってね…」

「横田さん、何なのよ、あなたって人は…」

「この際だから、亀山さんにはあえて言うよ。テツヤと私を引き離したいって純粋な気持ちをさ、巧みに利用してる連中がいるんだよ。私はそいつらに、決して屈しないぞって、突っぱねたいんだ。あんまり詳しくは言えないけど、そういう伝え方しないと、他の人にも迷惑をかけかねないんだ」

これは、もう本音の域だ

だが、この人にはこれ以上はいい

「まあ、難しいこと抜きで言うわ。よく言ってくれたよ、さっきのこと。十分汲めたわ、私。でさ…、握手しないか。それで終わりにしようよ、この件のあなたと私は。どう?」

さあ、亀山さんはどう出るかな…


...



彼女、口を真一文字にして、数十秒間私の目を見つめていた

そして、ほんの少しくすっと笑ってからしゃべってきた

「…わかったわ。あなた…、やっぱり南部君を本気にさせるだけの人ね。無理しないで、自分だけのものにしちゃえばいいのに…。正直、そう思う。でも、ありがとう。吹っ切れたわ。握手するけど、私の手、ベトベトよ」

「ああ、その方がくっつき具合が良くていいや。しっかり結びつくってもんでさ…」

私たちはがっちり握手した

いやあ、確かにベトベトだわ、亀山さんの手のひら…(苦笑)




更新日:2019-08-13 21:16:36