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その2

その2
ケイコ



彼女との距離は適度に保り数分走ったところで、亀山さんは止まったわ

「ハア、ハア、ハア…」

大きく肩で息して、汗もかいてる

「亀山さん、おととい、テツヤと会ったんだ、私…」

「それがどうしたのよ!ハアハア…、私だけに何が言いたいの?ハアハア…、この前のこと仕返しするつもりなんでしょう…、どうせ…」

どうやらこの子、怯えてるわ

「はは…、まあ、この前のことで仕返しとかするつもりはないよ。ただ、テツヤと私が話し合った結果を、あなたには最初に伝えたいと思ってさ。あそこの塾のことはテツヤからね…。待ち伏せして悪いとは思ったけど、こういう形じゃないと会えないし。勘弁してね」

「…」

彼女、眼鏡を外して額の汗をハンカチで拭ってる

「あのさ、ここ、座ろうか」

私は歩道のガードレールに腰を下ろし、亀山さんを誘った


...



「ここ座んなよ」

「私はいい。用があるなら手短かに話して。早く家帰りたいから」

「うん…。ああそうだ、まずはテツヤからの伝言ね。街で会ったら声かけるからって、そう言ってた」

「南部君が…。彼、私たちのこと、怒ってるんじゃないの?」

「ううん。かえって、気にしてたよ。はは、今回は名前も知らない子も含まれていたってことらしいし、そういう子まで、オレのこと気にかけてくれてたなんてって、しんみりしてた」

「そう…」

「それで、テツヤと私、今までみたいな付き合いはやめようってことにしたんだ。お互い好きだって気持ちはあるから、別に俗に言う別れるってことじゃないんだけど…。少なくとも、私はテツヤをみんなから奪って独占する気はもうない。まあ、逆に言うと、今まではあったんだよ。そういう気持ち。ハハハ…」

亀山さんはまだ汗を拭きながら、赤い顔のまま、私の話は真剣に聞いてくれてるよ


...



「だけど、テツヤみたいなモテ男だし、ちょっと私もいい気になってた。それは認めてるんだよ。今回の件があってね。そう気づいたってとこだわ」

「横田さん…」

「でさあ…、これからは彼女軍団ってことじゃないけど、彼を慕う一人として接していく。あとは成り行きだから、何とも言えないよね。私も他に好きな人ができて、そのままフェイドアウトってこともあるだろうし。またがちがち夢中ってこともね…。人間だからさ、そこはさ…。亀山さん、それを承知してもらえるかな?」

私はやんわりだが、こっちの結論をびしっと投げかけた

「あなた、私たちが憎くないの?私はあの時、みんながあなたを襲っていたら、私も危害を加えるつもりだったのよ…」

「ああ、そういうの、しっかり伝わってきてたよ。でも何とも思ってない、今は。あのさ…、ここではっきり言っておきたいんだ。あなたたち10人と他の連中とはまるっきり別なんだ、私にとっては」

ここが肝心だ

しっかりと伝えなくちゃいけない

ここで、亀山さんは私の顔をじっと見つめていたよ




更新日:2019-08-13 21:07:22