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小説

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その1

その1
砂垣




金曜決戦を4日後に控え、バグジーがジムでトレーニングに励んでいたよ

俺は、およそ1時間半、ヤツが独自のメニューをこなしている様子を見物させてもらった

最強の佇まいをプンプン漂わせながらも、日々の鍛錬に余念がないのはさすがだ

その後、俺達は打ち合わせの為、国道沿いのルーカスへ移動した


...



「…どうだろう、少しは参考になったかな。この資料は渡しとくから、あとでゆっくり目を通してくれ」

俺はバグジーの相手となる、津波祥子の直近の動きや、その他諸々の情報を口頭で伝えた後、資料にまとめたものも提供した

「ああ、助かる。そうか…、津波はあの麻衣って子と戦ったことがあるのか。そして麻衣が勝ったと…」

「そうなんだ。だが、その資料にある通り、タイマンに立ち会ったのは岩本真樹子一人なんで、詳しい内容はわからない」

「あの体でな…。ケンカ慣れした、自分よりはるかにデカいサイズの猛者を倒すなんてな…。麻衣って子には驚く限りだ」

「とにかくその戦い以降、津波は麻衣側の中心戦力となって、去年の再編抗争では、かなり重要な役割を果たしてきたよ。おそらく、今の津波は麻衣に敗れた時とは比較にならない。くれぐれも油断するなよな、バグジー」

「うん、わかっている…。先日の顔合わせで、津波がただの大女でないことは一見で把握できた」

バグジーは表情を決して崩してはいないが、今までにない顔つきであったのは、一目瞭然だったよ


...



「…なあ、バグジー、廃車プールでの結果はどうであっても、今後も俺たちと組んでいかねえか…。まあ、あんたを雇ってるのは諸星さんだから、筋の問題はあるが…」

「いや、この仕事が終われば、あっちとはジエンドさ。奴らと再びご縁って気は、さらさらない。奴らの仕事を請け負ったのは、”この地”に興味があったからだ」

バグジーがこの都県境に来たのは、自らの意志だったのか…

「…あくまで俺はフリーだ。人に拘束されずにやって行く。まあ、お前とはこれからも接点を持つ分には、構わないさ」

「おお、そうか。まあ、そういうことで頼むわ。実は俺も、今回で極道もんとのスタンスについては、いろいろと考えさせられてね。実際のところ、麻衣から受けた影響が大きいんだが…。フン、6、7も歳下の娘に訓読されて、風見鶏丸出しだと思われるだろうけどな、ハハハ…」

「いや、賢明さ。お前だって、ある程度は周知のことだろうが、星流会は今後、”ほか”で行く腹だ。いっそ、ここで切れといた方がいい」

バグジーからこんな言葉が出てくるとは…

ふふっ…、予想外だったわ





更新日:2019-08-13 17:02:54