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小説

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女医さん

私は精神病なのですが、最初に発病した時、ひどい心を持った女医さんにあたってしまいました。
最初はとても親身になって診てくれたのですが、私が治ってきて、ある文章をFAXして、感謝の気持ちを述べたとたん、その女医さんはきつい言葉を私に浴びせたのです。

「まずは、このFAXの字の汚さにびっくりしました」と、冷たく女医さんは言い、「はっきり言いましょう、この文章には何の意味もありません、しかし、あなたと同じくらい酷い状態の人には、ある意味はあるでしょうね。」

私は唖然としました。あんなに優しかった女医さんは、別人のように、私への敵意をむき出していました。

今だからわかることです。女医さんは、私が自分の患者だから優しくしたのではないと。その女医さんは、私や、精神病患者が、自分より弱いから優しくしたのであって、治って文章を書くまでに良くなった患者にはもう用はないのです。

20年たって私は再発し、今度こそ、一生治してほしい先生に出会いました。先生は、優しくはありません。ある時は厳しく、あの女医さんと違って、状態のいい私にはとても優しいです。

「一生診てほしい、先生は強い人です」、と言った私に、先生は言いました。「僕はめちゃくちゃ弱い人間だよ」
先生の謙虚さの中にこそ、厳しさの中にこそ、本当の愛がある気がします。弱い人間にだけ優しいのはきっと偽善なのでしょう。

更新日:2019-08-08 21:39:02