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 視点はグランドマスターの在る会議室に移します。其処には一人を除いて全ての幹部が勢揃いするのです。彼等を支配するのがあのバルマリィ・ハーデス元帥。彼は例の計画の破綻を目の当たりにしても余裕で居られるのか? いいえ、余裕ではいられない筈なのです。何故なら其の計画こそ物語を在るべき姿に戻す為の『プロジェクトライブラ』なのです。

「万策尽きたな、バルマー。貴様の覇道も愈々終焉が近い」

「こりゃあアタシも身の振り方を考えるべきじゃねえかあ?」

「野望とは、花散りし桜、必衰成り……か」

「大将殿の悪運も尽きる頃だって事さ。そうすると拙達は此れから如何すれば良い?」

「何処にも行く当てもないし、何れ私達の命も消える……『アンチサモナー』を服用してしまった今と成っては!」

『嫌だよ、バルマリィが居ない世界なんて嫌よお!』

「結局、ハーデス元帥に頼るしかないのだ。其の為に私達はマーレイド中を敵に回したのだろうが!」

「其れをノコノコと身の振り方とか考えるとはな……怖気付いたか?」

「お前等が悪いんだ。碌に敵一人も殺せずに偉そうで!」

「少しは静まりたまえ。愚痴なら赤子でも唱える事が出来る」

「リーブル参謀総長の言う通りです。未だ我々は敗れていない!」

「敗れていないだあ? 『アンチサモナー』にビビって出撃すらしない臆病者の偽皇子の分際で!」

「何だと、ヘレナよ。余を侮辱する気か!」

「落ち着くのだ、ブレン殿下。此処で仲間同士が争っている場合ではない」

「仲間同士だって? 何度言ったらわかるのだ、ダイナーズ。自身達は仲間でも何でもない。唯バルマーの力に寄って来ただけの寄せ集めにしか過ぎん」

『リリアなんて嫌い、直ぐ嫌味言うから!』

「メームル、少し静まりなさい」

「確かにキャプリコヌス少尉の言う通りね。私達に団結力がない……だから圧倒的に実力が上にも拘らず奴等に勝てない」

「抑々団結すら考えた事がないだろう、貴様等は!」

「そりゃあ痛い所だねえ、痛い痛い痛いってなあ」

「五月蠅いぞ、ダスティン。其れは僕に対する当て付けか!」

「だから二度も言わせるな、静かにしろ。出ないと……」「バアアア、俺が出て来たら如何するんだよお!」ケストナルさんの間近にハーデス元帥の見るに堪えない極悪非道な笑顔が出て来ました--絶対に心臓の鼓動を急激な勢いで速めて其の負荷に耐えられずに止まると思いますね……今の間隔は!

「……部屋に入っているのでしたら普通に声を掛ければ良いでしょう」なのにケストナルさんは動じる気配が在りません。「ところで今回我々を集めたのは裏切り者を焙り出す為ですか?」

「裏切り者っていやあ、明らかに此処へ出席していないあいつじゃん!」

「アマニア・オルトゥス……兄さんの仇はとうとう化けの皮を剥がしたな!」

「話は聞いたぞ……あの男はリーン皇女殿下……失礼。リーンに枷を掛けた事を。或はルーインに枷を掛けた事も!」

「事実よ……事実とすれば私は危うく其処の男に殺され掛ける所だったわ」

「ああ、生きていたのか?」普通の上司だったらきっと部下に裏切られますね。「まあ良い、小さい事だ……気にすんな」

「貴様以外は全て小粒と見るとは……いや、今更だな!」

「ですが、オルトゥス中佐の裏切りが明確化した以上は我々も対策を打たないと間に合いませんよ……閣下」

『嫌だよ、アマニアは私の事を助けてくれたもん』

「知るか、ボケエ。アタシがこんなに苦しいのは全部あいつの腕が藪なせいなんだよお!」

「いや、アマニアの腕は本物だ。二流以下の粕に見られる俗物根性な腕では絶対にない。だからこそ奴等に与する事は何としても避けたい!」

「バルマリィよ、余の出撃を許可してくれないか?」

「貴様が出るのか? 良いだろう、此の中では未だ『アンチサモナー』すらも使えん臆病者だもんなあ」

「そんな物を使用しなくとも代々のサジタリア皇家が培って来た『放たれる反逆の人馬(サジタリウス)』が在れば奴等の動きに対応が可能……仕損じる事は決してない!」

「フッフッフ、そりゃあ見物だなあ……」ブレンが出るのですか--だとすれば私は如何すれば良いのでしょうか?

                『終わりの始まりが集う時』に続く……

更新日:2019-09-07 19:34:48

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