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 わかってはいたんだけど、居たのよ。でも……光のせいであたしの意識が、そしてグラサンのおっさんを取り逃がしてしまう--光だけじゃない、煙迄放って息苦しく成りそうなのよ!

「今のクローは……ヒューマニーねん」

「其れはわかったが、ビースト兵共が大量に入って来て俺の機動力を阻害するようにいい!」

「何、ビースト兵がこんなに……如何!」ヴォルフさんはマスターマンモーを庇うように襲い掛かる何かの凶刃を背に受ける。「グあああ……此の鋭い感触はあ、貴様かああ!」

「残念、華麗に暗殺が失敗したよ」此の声、きっとファンフェルデさんがマスターマンモーを殺す為に振るったのね。「でも昔から目の上たん瘤なヴォルフ君を始末出来れば其れで良い!」

「止めるんだ、ファンフェルデ君」恐らくおっさんが近付いて来て……「今直ぐに其の手を離せ……でないと」政治屋風の握手で槍を掴んだら其処に訳のわからんエネルギーを投入したよ。「選挙妨害の案件として選挙管理委員会に訴えるぞおおおお!」

「あ、有り得ないよお!」ファンフェルデさんは恐らく訳わからんエネルギーに思わずヴォルフさんの背中に突き刺した槍を抜いてしまい、立ち去って行くのね。「此れが死ぬ寸前にマイスルギ君が味わった政治力……仕留め損ねたなら優先すべき事案の方に先走るよ!」

「大丈夫か、ヴォルフ!」

「ああ、筋肉で押し留める程度で良かった……がやはりファンフェルデは裏切ったな!」

「え、今の声はやっぱりファンフェルデさんだったの!」

「ヴォルフの背中の傷から見てもん、間違いないかもねえん……一応、スーパーベリーを傷口に当てとくわん」

「ウググ……有り難い、ミレーニアン」

「煙が晴れたな……って此れは!」晴れた時、既に十数人のビースト戦士達が倒れ、内三人は即死の状態。「クソウ、ケストナルやファンフェルデの野郎は逃げて此処には奴等にやられたビースト兵だけが残っているとは!」

「ポポも居ないな。やはり奴も十三星座と繋がっていたな」

「あの宇宙人め……今度会ったらぎったんぎったんにしてやるわああ!」

「いえ、未だ間に合います!」負傷しながらもマスターマンモーの所に駆け寄るホスィーノさん。「二佐達は恐らく、出入口より反対側の非常口から逃走を図ります……自分は良いですから先に彼等を!」

「だが、マスターマンモーを危険な目に……」「急げ、ヴォルフ。ファンフェルデの生死は問わん……直ぐに確保するのだ!」生死は問わないって--流石は脳筋共の長だけ在って物騒過ぎるよ!

「わかった。其れに匂うぞ!」

「もっと晴れて……居たわ!」あたしの視力で捉えたよ。「直ぐに行きましょう!」

「ふふうん、鬼ごっこかしらん!」

「じゃああ……レディエンドスタアアアトオオオ!」エイガーの補助技を使ってあたし達は一番足の遅いおっさんを含めて最速で向かって行くよ。「逃がすかよ、テロリスト共がああ!」

 其れは後少しで何かの装置で逃げ出そうとするファンフェルデさんと宇宙人達の手の届く所迄駆け付けたよ……「やはり油断が出来ませんね。ではポポ・ユキだけでも逃がしましょう」既にケストナルのおっさんは姿を消したけど、其の場にはあのミレーニアンさん並にスタイル抜群のヒューマニーさんが立ち塞がるよ!

「あらん、お久ー」

「黙れ、アバズレの分際め!」

「実の御姉ちゃんに向かって其れは言い過ぎでしょ、ヒューマニーさん」

「誰がそんな女を姉と思ったか!」

「止めとけ、ルーイン。お前の所の姉妹と一緒じゃないんだからさ」

「ケストナルを逃がしたな。其れにしてもポポ、貴様が絡んでいたのは予想外だったぞ……」其れは絶対に嘘ね--まあ政治屋は嘘を吐くのも仕事だしね。

「全ては友愛の為なのだ。僕の崇高なる友愛の精神をハーデス閣下は受け入れたんだからな……」いや、其れは絶対に駄目よ--あんな好戦的な奴がルーピー野郎の思想を受け入れるとは思えないって!

「まあまあ、ポポさん。今は僕の背中側でじっとして下さい。此れから僕は彼等を仕留めて見せますよ……華麗に!」

「『過激派』がバルマーと手を組んで何をしたいか、ファンフェルデ!」

「僕はこう見えて口が堅いのですよ、ヴォルフ君ンンンンン!」

 戦闘はこうして始まったよ……

更新日:2019-07-30 07:04:52

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