• 164 / 320 ページ
 政治劇は未だ未だ続く……「其れを持ち出しましたか。流石にデュラール鋼五年分は欲してもドライパレスに棲み付く連中の情報だけは欲する訳には往くまい」ケストナルのおっさんも其れだけは呑まないね。

「成程、其れは一理在るぞ!」あれ、おっさんが要求を呑みそうな雰囲気なのは一体。「是非共、全員分の情報が欲しいぞ!」

「如何やら帝国側は要求を呑みたい……」「い、今のはノーカンです。こんな親善大使風情の男の意見は却下します!」だから何でしゃしゃり出るのよ、ポポは--何かぶん殴りたいけど、我慢するあたし。

「何故だ、ポポ。ビーストトルーパーのマスターマンモーが有難く五年分のデュラール鋼を提供すると言って来たのだぞ。此れは我々にとってプラス以外の何でも……」「デュラール鋼を使った公害事故を踏まえても此れだけは呑めないのだ!」といきなり知らない設定を持ち出すポポ--今更公害の話を持ち出して動くかなあ?

「成程、そうゆう事か。だが、既に契約済みだ」おっさんは懐より其の捺印書を取り出したよ。「悪いな、実は会議に向かう前に我々はタウンミーティングをしていたんだ!」

「な、何イイ!」驚きを隠せないポポ。「や、やらせだったかあ!」

「やらせじゃと? 違うな、ルドルフ殿から其方の事について詳しく聞かされていてのう。何じゃ……ドライパレスで死んだ闘技者の名簿を使って荒稼ぎして居たそうじゃなあ?」

「ウググ……」死んだ闘技者の名前で-ー此の宇宙人は何をしていたのよ!

「そうか、道理で」ケストナルのおっさんは其れでも動じない。「だが、其れだけじゃないのだろう。ポポを敢えてこんな場に引き摺り込んだ本当の理由は……『カクエー』を我が物にしたいから、そうだろう?」

「な、な、何でそ、其れをおお……」え、『カクエー』って何?

「何、あの装置が未だ現存していたのか」ケストナルのおっさんから初めて聞かされるルドルフのおっさん。「本当なのか、マスターマンモー殿よ」

「済まないな、ルドルフ殿よ。幾らわしとて己の利益を優先するのじゃ」

「其れは我々も同じ考えなのです。ですが、あれはワン・オサワの死と共に永久に行方を眩ましたと聞きます……まさかポポ、お前はガントと一緒に生前のワンから居所を聞かされていたのか!」

「そ、そんなの知らん。ぼ、僕はそんな殺戮兵器の事なんか知らん。僕を信じて……友愛の精神で僕を信じて!」

「信じられるか如何かはわしにドライパレスの既得権益をばらされるのを破棄する代わりに『カクエー』の居所を寄越せば良いのじゃ。何、簡単じゃろう?」

「ヒ、ヒイ」椅子を倒して迄報せまいと会場入り口迄逃げ出すポポ。「と、通せ。ぼ、僕は死にたく、死にたくないいイイ!」

「死にたくない、だと」おっさんはグラサンの方に目を向ける。「如何ゆう意味だ、ケストナル!」

「つまりこうゆう事ですよ……」ケストナルさんは懐から何かを取り出した--其れを見てエイガーさんは素早く動いてグラサンの喉元に向かってナイフを投擲する!

 だが、其れは飛んで来たアイアンクローの前に阻まれ--と同時に光があたし達の目の前を包み込む!
























 --ナニヲシテイルノ、イマガソノトキ……え、あたし?

        『ラムネの頃から観音は反省せずに獣を壊す』に続く……

更新日:2019-07-30 05:39:19

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook