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 視点はあたし達に戻すわ……「何なのよ、去年と全然違う強さはああ!」あたしが驚愕するモンスターの質が其処に在るよ。スネーク、スコーピオン、そしてバジリスクの群れは此処『ゼクス街道』の旅人を驚愕させ始める!

「ヴォルテックタイフーン……スコーピオンとバジリスクは風属性が効くぞ!」

「ウググ、ルーイン君の御蔭で党議拘束から解放された……」きっと党議拘束を考案した人達は其れを悪い意味に使って欲しくないと思っているよ--反対意見を出したいけど、党が此れと決めたら絶対に従うか或は棄権するかしかない物だった筈……多分!

「--ファイアーストーム……スネークは火属性が効くよ!」

「ポイズンキャノンは実に効く……だが、アイハブアドリーム!」

「土系中級単体魔法プレスだと……効かんわあ!」ヴォルフさんの極めた上にホットアタックで仕掛けたヴォルテックタイフーンの嵐はバジリスクの高い防御力を抉って来る。「野生化ファーストフェイズウウ!」

「バジリスクは甲殻系だから此処はあたしとおっさんが攻め立てるんだから!」

「ムン工作員の望みは実現しない……三十八度線は未だに鉄のカーテンを敷かなくては成らんのだあ!」

「スネークは二種類の噛み突きを使用するか……だが、タックルスパートで眠れええい!」

 去年覚えた術技はほぼ大半が極めた後なのよ。だからこそ今のあたし達は例え此の街道のモンスター達が強化されても難なく突破出来るのよ!


 其れから三分掛けて街道を突き進む……「何よ、此の悲鳴はあああ!」突然、あたし達全員が思わず耳栓したく成る騒音が響き渡る--間違いない……里の方面から響いて来たのよ!

「ルドルフ、貴様の言う通りだったな!」

「マックの選挙妨害か、叫んでいるのは!」誰よ、マックって。「まあ、KY新聞帰れコールでヘイトの方向は変わったがな」

「ってあれは!」あたしの有難い視力じゃなくても見えてしまう狼煙。「是が非でも絶対に行かないとおお!」

「待て、ルーイン!」

「ルーイン君は感情に振り回されやすい。だからと言っても止める事は私には出来ない!」

 あたし達は直ぐに『エルフの里』へと駆け込んで行く……


 其れは至る所にて煙が広がる。何かで破壊され、然も保管庫にも直撃した為に可燃性の何かが漏れて其れが発火--火は藁及び木造建築のエルフの里全体へと波及してゆく……どれだけ可燃対策しても燃え広がる時は燃え広がるからね!

「やったのは……あいつかああ!」

「あれは……『バンシー』!」あいつは無差別に口から涙の光を連射しまくっている。「あれがあたしの故郷をおおお!」

「おっと、ルーインちゃん!」誰かがあたしの左足を躓かせた。「落ち着くんだ……バンシーを相手に不用意な行動を採るべきじゃないな」

「エイガーだな、久しいぞ!」

「エイガー君だな……まあ良い」何がまあ良いのかわからないよ。「其れよりも手を貸してくれないか?」

「ああ、其のつもりだ!」

「イデデ……有難う、エイガー」

「ヘッ、如何致しましてッとさあ!」

 エイガーが加入した状態であたし達は子供っぽい姿をした泣き虫妖精『バンシー』と対峙してゆく……

更新日:2019-07-23 19:32:46

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