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ルーイン達は勉強が出来ない

 『エルフの里』を追い出されて一年は過ぎたよ。今のあたしは様々な見聞を広めて世界について徐々に知って来たの。何故御姉ちゃんが世界を憎むように成ったのか、何でケイオスはこんなにも混沌と包まれるのか。

「え、あたしの名前?」

「ガッハア、其処のエルフの姉ちゃんは強いねえ。し、死ぬ前に名前を?」

「あたしは才色兼備のエルフの美少女『ルーイン・リュンネ』よ!」

「さ、菜食、ケ、兼備、べ、ベジタリアンに、こ、殺され、タァ……」又してもあたしの事を野菜主義者だと思われて死んだゴロツキが出て来たわ--此れで十八人目……何であたしは頭が良いと認識されないのよ!

 ってそんな事考えている場合じゃないよ。此処『フィーアパーダ』の北東東の方角で爆発音が聞こえたよ。やばい臭いがプンプンとするよ。あの極悪非道のバルマーが去年と変わらない位に腹立たしい顔で禄でもない宣言をして数日。其のの内に本当に虐殺して来たみたいに最近に限っていきなり大ニュースのバーゲンセールで忙しく成りそうよ。兎に角、急がないと!

「おっと、姉ちゃん」「姉ちゃんを焼いた時にあそこで貫く感触を楽しみたいぜ」「待てよ、あのエルフだったか? ベジタリアンらしいぜ」「ハッハッハ、頭が悪そうだから今の内に野菜を好むんだろうなあ」だからあたしはそんな事言ってないって--然も馬鹿にしているよ、あたしのおつむを!

「絶対に殺してあげるよ。取り敢えずあの外道をぶっ殺す為の必殺技を五十七も編み出したんだからね」

「--取り敢えず光系魔法で攻めてやる……デルタレイ!」「ヒャッハア、グルグル殺法烈海王!」「火炎瓶奥義千葉論法!」「ガスバーナーで消毒だあ!」「メルトバーナーで後ろの敵を約感覚も覚えとくぅ?」と最近のゴロツキは魔法を使って襲ってくる場合も在るのよ--そんなゴロツキを軽く捻って殺しましたとさ!

「舐めないでよ、魔法剣士の遠近両用の強さを!」

「クソウ、九九すら覚えられそうにない奴は、簡単だと、思った、のに!」

「何よ、最近の辞世の句は何か面白い事を言えば良いと思っている訳え……」何だか近年のゴロツキは余程、格好良い辞世の句よりもお笑い芸人みたいな一発ギャグで楽したい傾向なの--此奴等何処迄御天道様に迷惑かければ気が済むのよお!

「フフフ、其処のエルフの少女は強いねえ」とあたしの活躍ぶりを拍手喝采する怪し過ぎるビースティアンが近付いて来たよ。「でも、里の外に出るのは余りにも魔を呼ぶ行為に成らないかい?」

「魔、を?」一瞬わからなかったけど、あたしには呪いが在るのよ。「大丈夫、コンタクトは無事だから」

「如何かな? 最近はゴロツキ共の間でも有名そうじゃないかね。『ヘッドバットルーイン』という異名で」

「そんな異名は止めてよ。如何ゆう経緯で其の異名が付けられたのよ!」

「う、如何にも頭が悪そうなのに戦ってみたら実に強い事からそう名付け……」「あたしは『美少女ファイタールーインちゃん』と呼ばれたかったのに!」頭が悪いは余計だっての!

「苦しい苦しい、そ、其れよりも本題だな」思わず一般人をあたしのか細い両手で首絞めて殺す所だったよ。「港で『ビーストトルーパー』の一隊が暴れているそうだ」

「ビ、ビーストトルーパー!」知っているからあたしは信じられなくて声を大きくしたのよ。「拙いよ、益々やばい臭いがプンプンするよ……ありがとうね、怪しいビースティアンのおじさん!」

 あたしは現場へと駆け付けて行く……「……此れで良いですかい?」でもあたしは未だ知らない。

「ああ、自身の敵は強大で無ければ成らん。港の向こう側であいつは仲間と合流するべきなのさ」

「実の妹じゃないのですか、血は半分ですのに」

「既に姉妹の縁は切った……其れに一年間も見聞を広めておきながらも頭が悪いのでは姉で在る理由には繋がらん」

「心配なのか辛辣なのかどっちですか?」

「後者の方だ。自身は手に掛ける使命を帯びるからな……」実は怪しいおじさんにそんな情報を送ったのは御姉ちゃんだった--靴の所迄伸ばしたコートをボタン二つだけ閉じて左手には銃剣を持った馬さんヘアーの御姉ちゃんが……あ、あたし並の巨乳だけど露出は控えめだから其処は御願いね!

更新日:2019-09-05 05:23:12

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