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観音縛り【番外編】

観音は彼女との約束を守るために仏になることを辞めました。

仏国で年老いた魂の再生と彼女の声が聞こえるように仏国の裁判所の勤務を始めました。

勿論最近の裁判は可笑しいのも間違いない。

しかしマニュアル化された裁判ではやむを得ないとも


裁判1

老婆の場合

この女は宗教が嫌いである。

科学が万能と信じている。

家族にも知人にもそのように語る。

娘の子供が死んだ。
娘の精神は狂った。

友人が呟いた。「せめて宗教を信じてくれたら少しは心が休まるのに」

老婆がキレた科学が絶対と

友人が諭す。
「一%の可能性があるならなにも言わない。しかし可能性は0%よ」

娘は自ら命をたった。



判決は地獄へ

しかし観音は反対した。

女には罪悪感はない。
地獄に行っても反省はしない。また人間界に戻るだろう。

そしてまた子供に同じように言うだろう。

子供にとって親は絶対である。輪廻は繰り返される。

彼女には地獄より苦しい浮遊霊がふさわしい。

いつまでも生きていると思うがよい。

思い込みは老婆の得意技なのだから

更新日:2019-06-07 22:00:56

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