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181212俺とお隣の吸血鬼さんと壁の絵と

「あ」
「何、吸血鬼さんどうしたの」
そう、俺の隣を歩く黒髪サラサラ青い瞳の
イケメンはアパートのお隣同士。
しかも吸血鬼さんときたもんだ。
いや、ふとしたきっかけで隣のイケメンさんが
吸血鬼と知り、その後俺の血を分けている。
味と栄養にうるさいらしく、
俺の血を飲むと目からルビーが出てくるので、
その分け前をもらうと言う事で、
俺は定時出社帰宅のホワイト会社に再就職。
もちろん残業もなく土日祝日ばっちり。
しかも、栄養管理の一環で、
俺の部屋の家事全てを吸血鬼さんが
やってくれるという天国状態。
・・・これで女だったらなぁ。
男の夢は尽きる事がない。
で、最初に戻る。
「で、『あ』てどうしたよ」
「いえ、このシャッターに葉っぱがたくさん
描かれた木の絵があるじゃないですか。
なんか昔の事を思い出して。
もう、生きる希望のなくなった子供が、
病室から見える最後の一葉が
枝からなくなったら自分の命もなくなる
とか考えていて・・・。
その頃は病院の看護師をしていたので
看護師長がその弱気に怒って、
看護師や他の元気な?患者さんに
元気な葉っぱを描かせて
夜中に木の枝にくっつけたのを
思い出したんですよ」
・・・確か、最後の一葉という作品が
あったが。
病院の看護師長大迫半端ねぇって位
パワフルなのな。
それ位肝が座ってないとトップって
やってらんないのな。
「それで、その子どうなったの」
「朝、起きたら唖然として、
治療を頑張って元気に退院しましたよ。
ついでにその年は元気に退院する人が
多かったですね」
だろうな。
さみぃ。イルミネーション綺麗だな。
俺もインフルのワクチン打って
冬に負けないぞ

更新日:2019-04-03 06:23:44

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