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181206俺と隣の吸血鬼さんとハイチーズ
「ただいまぁ」
2LDKのアパートに帰ると
いい匂いがする。そう、チーズの匂いだ。
「あ、お帰りなさい」
そう言って振り返るのは、
サラサラ黒髪の青い瞳が印象的な
イケメンだ。
残念なのは、ヒヨコのアップリケがついた
ピンクのエプロンを着ていることだろう。
そう、彼はお隣さんなのだが、
分けあって、俺の家の家事をしてくれている。
そう、彼は吸血鬼なのだ。
俺は彼に血液を提供する代わりに
家事一切を引き受けてもらっている。
何しろ、俺の食べるものが彼の飲む
俺の血液の味や栄養素を左右するらしい。
よって、俺は逆に衣食住を管理されているとも
言える。
あ、もちろん首に牙を立てたりしないよ。
腕から注射針で輸血用チューブで
飲む事になる。
その間俺はスマホで退屈しのぎをする。
不思議な事に栄養にならないのに
お隣の吸血鬼さんは人間の食べ物を
食べれるということだ。
その事を尋ねると、自分でも分からないそうだ。
ま、それは兎も角俺の血を飲んだ吸血鬼さんは
目からルビーを出す事ができる。
その分け前を俺ももらっているので、
ブラック企業とおさらばして定刻に帰れる
ホワイト企業に再就職して万々歳だ!
お、っとそうだチーズチーズ・・・・
「うわぁ。チーズフォンデュだぁ」
するとお隣の吸血鬼さんは嬉しそうに、
「そうなんですよ。今はネットで
お店の紹介した家でできるチーズフォンデュの
作り方が載っていて便利ですよね」
「わぁ、食べる食べる。
そうだ!インスタグラムに上げないとな。
これ、お店で出る料理って言っても
信じられるぞ。よくこんなお皿あったな」
「あ、これ。昔ヨーロッパで買った
古伊万里使っているんです」
「おお、なんかすげぇ。とりあえず
ハイチーズ」
こうして俺達はおいしくチーズフォンデュを
いただいたのだった。
が、後日談。
料理を盛ったお皿が古伊万里だったのを
目利きが逃すはずがなく、
ものすごいフォロワー数と
譲ってくれという書き込みがされていたのだった。
トンデモ鑑定団に出したらいくらに
なるんだろう。
恐れおののく俺の隣で、
のんびり洗濯ものを畳む
お隣の吸血鬼さんがいるのだった。
了
2LDKのアパートに帰ると
いい匂いがする。そう、チーズの匂いだ。
「あ、お帰りなさい」
そう言って振り返るのは、
サラサラ黒髪の青い瞳が印象的な
イケメンだ。
残念なのは、ヒヨコのアップリケがついた
ピンクのエプロンを着ていることだろう。
そう、彼はお隣さんなのだが、
分けあって、俺の家の家事をしてくれている。
そう、彼は吸血鬼なのだ。
俺は彼に血液を提供する代わりに
家事一切を引き受けてもらっている。
何しろ、俺の食べるものが彼の飲む
俺の血液の味や栄養素を左右するらしい。
よって、俺は逆に衣食住を管理されているとも
言える。
あ、もちろん首に牙を立てたりしないよ。
腕から注射針で輸血用チューブで
飲む事になる。
その間俺はスマホで退屈しのぎをする。
不思議な事に栄養にならないのに
お隣の吸血鬼さんは人間の食べ物を
食べれるということだ。
その事を尋ねると、自分でも分からないそうだ。
ま、それは兎も角俺の血を飲んだ吸血鬼さんは
目からルビーを出す事ができる。
その分け前を俺ももらっているので、
ブラック企業とおさらばして定刻に帰れる
ホワイト企業に再就職して万々歳だ!
お、っとそうだチーズチーズ・・・・
「うわぁ。チーズフォンデュだぁ」
するとお隣の吸血鬼さんは嬉しそうに、
「そうなんですよ。今はネットで
お店の紹介した家でできるチーズフォンデュの
作り方が載っていて便利ですよね」
「わぁ、食べる食べる。
そうだ!インスタグラムに上げないとな。
これ、お店で出る料理って言っても
信じられるぞ。よくこんなお皿あったな」
「あ、これ。昔ヨーロッパで買った
古伊万里使っているんです」
「おお、なんかすげぇ。とりあえず
ハイチーズ」
こうして俺達はおいしくチーズフォンデュを
いただいたのだった。
が、後日談。
料理を盛ったお皿が古伊万里だったのを
目利きが逃すはずがなく、
ものすごいフォロワー数と
譲ってくれという書き込みがされていたのだった。
トンデモ鑑定団に出したらいくらに
なるんだろう。
恐れおののく俺の隣で、
のんびり洗濯ものを畳む
お隣の吸血鬼さんがいるのだった。
了
更新日:2019-04-01 06:23:28