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ss181120俺とお隣の吸血鬼さんの食事内容

「なぁ、お前なにげに俺んちに居候してね?」
俺は居間で掃除機をかけるお隣さん基
吸血鬼に問いかける。
そう、ここんとこ重要。
奴は某ご令嬢に食料提供いや、献血を
要請して、ていよく追い払われたらしい。
そこで、俺が家事一切をする事を条件に
食料提供?することになった。
もちろん、首筋に牙なんぞたてさせん。
今や便利な物で、腕に注射して
チューブでチュウチュウ吸うのだ。
そしてそんな俺はソファで、座敷童子のクッションを
抱きしめている。
べ、別に幼女趣味じゃないぞ。
酔って知り合ったサラリーマンと意気投合して
ユーフォーキャッチャーしたら当ったのだ。
・・・なんか髪の毛伸びてる気がするが気にしない。
で、最初に戻る。
「だって、あなたどうしたらこんな狭いアパートを
ここまで汚せるのかという位汚すじゃないですか。
それも毎日毎日。おかげで住み込み家政夫ですよ。
私は」
あ、やべ。地雷踏んだ。くどくどつべこべ説教が
始まる。俺は苦肉の策で話題を変える。
「いや、そう言えばさ。お前オーストラリアって
カンガルー食べるけれど、カンガルーって人間に
似ているじゃん。
前、ぶーチューブでカンガルーと筋肉自慢した
男がいてさ、カンガルーの胸圧にショックうけていたけれど
カンガルーの血って飲めないの?」
すると吸血鬼は掃除機の手を休めて
「ありえませんね。第一、カンガルーって捕まえるのだけで
ひと苦労ですよ。人間は話が通じますから
あなたのように条件さえ合えば、大人しく
食事させてくれますから」
「はぁ、なるほどぉ。じゃぁダチョウとカンガルーどちらが
捕まえるの大変?」
「あなたねぇ。吸血鬼の私がアフリカ大陸とオーストラリア大陸
組んで、わざわざ食事にしづらい動物を
捕まえると思いますか?
毎日三食、血を飲まないといけないんですよ。
人間があふれた都会の方が確実に
毎日おなかいっぱいです」
「こう、冒険家の血が騒がないとかないのか」
「私たちはルーマニアの由緒ある貴族の一族ですよ。
第一、献血袋リュックサックに積め込んでいる時点で
税関で掴まりますよ。
そんなリスクは冒しません」
「ふぅん、そうか。ああなんか旅行してぇ」
「ダチョウ肉のしょう油煮込みの出る
温泉付き宿泊プランとかありますよ」
「何故、唐突にダチョウの肉」
日本の宿泊プランは謎に満ちている。

更新日:2019-03-28 17:09:08

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