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第8話 傷まみれの天使

山崎が及川にメールを送って数週間。
二人の間には不穏な空気がただよっていた。
山崎は及川に一生懸命話しかけるも、以前とは全く違う冷たい態度をとった。
休憩が二人きりの時、及川はトイレにこもるか、顔を伏せて、睡眠をとった。
廊下や階段で二人があうと及川は山崎を避けるようによけて通った。
それなのに、山崎の及川に対する気持ちは強まっていった。
今までこんな事はなかった山崎は戸惑い、落ち込んでいった。
一体どうすればいいのだろう?
山崎の心はどんどん病んでいく。
どんな映画を観ても、どんな音楽を聞いても、気持ちは病んでいく。
ガスト
この及川との状況を山崎は幼なじみの垣原真輔に相談した。
垣「ふぅーん・・・・まぁ、でも山ちゃんらしいね。なんか」
山「えっ?」
垣「いや、なんか女子との距離が微妙な所」
山「別に好きでそうなってる訳じゃないよ」
垣「まぁ、いいんじゃね?とりあえず精一杯声かけただけでも成長じゃん。なんだっけ?前好きだった金田さんとかあと・・・・高橋さんだっけ?声もかけれず悶々としてたんだから、成長してるよ。次はなんとか恋愛できるんじゃない?」
山「次はって・・・・なんか今の状況をよくできるような方法ないのかよ?」
垣「う~ん・・・まぁ頑張ればなんとかなるけど・・・ほら、やっぱり今までの山ちゃん見てるけど、そんな器用そうな事できなそうだもん」
山「なんだよそれ?」
垣「正直、これからの山ちゃんにはとんでもない悲劇が待ってると思うよ。多分いろんな事間違えていくから山ちゃんは」
山「そんなはっきり言うなよ」
垣「・・・・・辛い?」
山「辛いに決まってんだろ!」
垣「じゃあ、この際こくっちゃったら?それでふられてさ、すっきりしちゃおうよ」
山「ええっ・・・・」
垣「とりあえずね、新しい人生探す事が一番。変に戦っても山ちゃん失敗するから、これは間違えないよ、本当に」
山「・・・・でも」
垣「まだごだごだ言ってるの?ばかなの?もうその娘お前と付き合うつもりなんてないよ!!だからさ、すっきりしちゃおう!!今の自分殺そう」
山「・・・・もういいよ・・・・」
山崎は力なく食事代をおいて、席をたった。
垣「おい!!帰るのかよ!!」
山崎の食べかけのオムライスビーフシチューが不気味な形に崩れていった。
翌日
東友所沢店
山「おはようございます」
そう言って山崎は休憩室に入る。
及川と目があった。
いつものように顔を伏せる及川。
昨日の垣原の言葉がよぎった。
このまま告白してスッキリしよう。
もう疲れた。
帰り際
東友
社員用出口
及川がそそくさと帰ろうとしている。
それを挙動不審におう山崎
何でもいいから話しかけようとする山崎
とりあえず適当に何か誘って断られたらそのまま告白する。
半分八つ当たりみたいな方法だったが山崎はこれでこのけんが終われると思い気持ちを高めていた。
山「ねぇねぇ、及川さん映画観に行こう」
及「行きません」
また冷たくしやがって・・・・・よし、このまま行こう。
そう心の中で呟きはや歩きする及川のもとに近づく山崎。
すると、店の前に止まっていたワゴン車から謎の男が出てきて山崎にスタンガンを当て気絶させた。
12時間後
山崎は留置場にいた。
山「うっ・・・ここは」
檻の外から警官が山崎をみて
「気がついたか・・・・よし、来い!」
山「えっ?」
山崎は警官につれられ取調室にきた。
山「な、なんだよ?」
「黙って座ってろ」
5分ほどすると刑事が取調室に入ってきた。
刑「おう、目が覚めたか・早速聞くがな、及川瞳をどこにやった?」
山「へっ?」
続く

更新日:2019-02-15 13:03:25

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