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第5話 夕焼けに明日は消えた

某所にある土手
美しい夕焼けが照らされるその場所で、ポツンと体育座りしながら川を見つめる美男子山崎。
そこに、小走り、ジャージ姿で現れた及川
及「あっ、山崎君、どうしたの?急に部活休んじゃって」
山「見ての通り体調不良さ」
及「元気そうですけど」
山「おかしいなぁ」
及「で、なんなの?私も早く部活に戻んないと、顧問に怒られちゃうんだけど」
山「いや、なんてかさ、俺の体直してもらいたいと思って」
及「いやいや、それは保健室の先生に言ってくださーい」
山「それじゃだめなんだよ」
及「はっ?」
山「俺の心を直して欲しいんだ」
戸惑う及川。
山「俺の心は・・・・お前への気持ちで、一杯になっちまった。正直、この気持ちをこれ以上かかえるとおかしくなっちまう」
及「何、それ」
山「あっ、ごめん。なんかかっこつけちゃって・・・・・」
及「・・・・」
山「だから、だから言わせて、俺は・・・山崎明秀は及川瞳の事を愛してます」
及「・・困った人ね。私の心にまで病気うつして」
山「えっ・・・・」
及「でも、もうちょっと病みたいな。山崎君の事で」
そういうと及川はそっと山崎の手をつかんだ。
何も言わず川を見つめる二人。
あたりは次第に暗くなってきた。
山「なんか元気になってきた」
及「えっ?」
山「ありがとう。及川さん、気持ち受け取ってくれて」
及「・・・はい」
山「よぉしいっちょ泳ぐか!」
山崎は服を脱ぎ、パンツ一丁になり、川を泳ぎだした。
それを笑って見つめる及川・・・・・
山崎の部屋
山「はっ!!」
眠っていた山崎の目が覚めた。
山「・・・・今のは・・・・夢か・・・チクショウ・・・良い夢だったのにな・・でも、これを現実にしなければ!!俺はやる!!」
1時間後
山崎は仕事に向かう最中、コンビニにたちよった。
そこのトイレの鏡の前、山崎はじっと自分を見つめながら、
山「俺はやれる、俺はやれる、俺はやれる・・・やるんだ!!」
そう呟いていた。
トイレから出て、おにぎりの整理をしている女店員に話かけた。
山「あの、あおきさんだよね?」
「えっ?」
山「・・・・俺今日戦ってくるわ」
「そうですか・・・・」
山「・・・すいません・・なんか変な感じになって、でも俺戦うよ・・・・じゃあ」
山崎はそう言うとペットボトルのお茶とあんパンを買ってコンビニを出た。
スーパー
朝礼が始まった。
隣に及川さんがいる。
緊張で汗が滲む。
手が震えて品だしすらうまくいかなかった。
仕事の時間が遅れて周りはピリピリしだしたが、もはや山崎はそんな事は気にしなかった。
休憩時間。
その日は及川さんと被る事は無かった。
山崎は悩んだ。
山「・・・・ここで告白するべきなのかな・・・でもここだと、人いるだろうし・・・・・・・・・できるなら夢でみたような土手に・・・・やっぱりどこかに誘うべきか?」
山崎は決めた。
帰り際、及川さんに話かけ連絡先を聞きとりあえず食事に誘う事を
それまでの仕事の時間、山崎は怖くて何度もトイレにいった。
品だししていた豆腐を何個も潰した。
仕事終了後
帰り支度をする及川がいた。
山「あの、及川さん」
及「はい・・・・」
続く

更新日:2019-02-15 13:01:31

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