- 3 / 119 ページ
第3話 紅の萌え豚
宮先駿宅寝室
ぐっすりと眠る駿。
それを見守る吾郎。
吾「くそっ・・・本当に手間かかるジジィだぜ・・・・」
駿「うっ・・・・・」
駿が目覚めた。
吾「あっ・・・父さん・・・・大丈夫ですか?」
駿「うん?いや・・・・」
吾「一体どうしたんですか?いきなり雨の中走り出したりして」
駿「・・・私にもわからない・・・・いや、本当はわかっているのだが、それを認めたくない。」
吾「もう、年なんですから、無理しないで下さいよ」
駿「年か・・・・」
吾「世界の巨匠があんな所での野垂れ死んだらファンが泣きますよ」
駿「そんなものどうでもいいわ」
吾「また、そんな事いって、大事なお客さんじゃないですか」
駿「吾郎、悪いが一人にしてくれないか?」
吾「・・・・わかりました」
吾郎は部屋を出ていった。
駿は寝室にある自らの作品のポスターや受賞したトロフィーを眺めた。
駿「私は・・・・・宮先駿だ・・・・日本をとった、世界をとった、宮先駿だ。もう欲しいものなど何もないはずだった・・・それがあの及川という名の女・・・いかん、一人で何をぶつぶつ言っているんだ!!これでは私は異常者だ!!」
駿は一人で悶えた。
絶望した駿の目の前に「崖の上のポニュ」のポスターが貼ってあった。
「崖の上のポニュ」は半魚人ポニュと少年良助の禁断の愛を描いた宮先駿の大ヒット作である。
駿「・・・・これだ!!」
駿は部屋を飛び出し、吾郎の部屋に向かった。
駿「吾郎!」
吾「父さん・どうしたんですか?」
駿「映画を作るぞ!!」
吾「新作ですか?やりましょう!またアニメ界の頂点にたちましょう!」
駿「いや、実写だ」
吾「えっ?」
駿「崖の上のポニュを実写化する」
吾「ええっ!!無理ですよ!!そんなの!!」
駿「できる!!」
吾「第一ポニュは誰がやるんですか?」
駿「及川さんだ・」
吾「はぁ?誰ですか?」
駿「この間行ったスーパーの女性店員だ」
吾「父さん・・・・・大丈夫ですか?」
駿「ふふふ・・・・吾郎、私は思い出してしまったのだよ。若さというものを」
吾「いや、でも、良助役はどうするんですか?子役の演出できますか?」
駿「宗助は・・・・私がやる」
吾「何言ってるんですか!!少年じゃないですよね!!」
駿「吾郎!私は若返ったのだ!あの及川という少女のおかげで・・・そんな私の姿をフィルムに焼きつけなければ!!」
吾「・・・狂ってる・・・」
駿「さぁ、さっそくプロデューサーに電話だ。俺はやるぞ」
吾「・・・・・・」
それから数週間
スタジオギブリは宮先駿初の実写作品「真・崖の上のポニュ」の制作に費やされていた。
吾「で、父さん・・・・そのポニュ役の及川さんとやらはどうするんですか?」
駿「うむ。今考えていた所だ」
吾「もう、普通に子役にしましょうよ」
駿「ならん!!」
吾「頑固だな・・・・」
駿「大丈夫だ。もう手はうってある」
吾「えっ?」
駿「いまから彼女を誘拐しにいく」
吾「全然大丈夫じゃないですよ!!何言ってるんですか!!普通に出演交渉しましょうよ!!」
駿「いや、彼女には出演という形ではなく、生身の自分の姿で出てもらいたい。この作品は劇映画であり、ひとつのドキュメンタリーだ。我々に誘拐され、戸惑う彼女の姿をとるのだ。そして、少しずつ我々に心開き、成長する姿をフィルムに焼きつけるのだ。それが今回の作品の狙いだ」
吾「心開く訳ないし犯罪ですよ」
駿「だから大丈夫と言ってるだろ!!もう手はうってあるし、これは私が絶対にやらねばならない、最大の作品なのだ。吾郎!お前がなんて言おうと私はやる!!」
吾「・・・・・・」
東友
所沢店前
及川が出てくるのを黒いワゴン車から見張る駿とギブリスタッフ
駿「さぁ、とうとう始まるぞ・・・・私の、私の戦いが、、、、、」
ス「来ましたよ!!」
社員用出口から、及川が出てきた。
後ろにはなにやら挙動不審な動きで、男性店員がついてきている。
「ねぇねぇ、及川さん、映画見に行かない?」
及「行きません」
「冷たいなー、いいじゃん、」
及川はそれをふりきるようにはや歩きした瞬間、ワゴン車からギブリスタッフが出てきた。
「うん、なんだお前?」
ギブリスタッフはスタンガンで男性店員を気絶させた。
及「えっ?」
そして、駿は及川の後ろに周りクロロホルムを嗅がせ及川を眠らした。
ギブリスタッフと駿は、急いで及川をワゴン車にのせた。
駿「さぁ!行くぞ!行くぞ!」
ワゴン車は発進した。
駿「はぁ・・・はぁ・はぁ・私は、とうとう、やってしまった、これで私は、私は」
そう言いながら眠る及川を見つめる駿の目には狂気が宿っていた。
続く
ぐっすりと眠る駿。
それを見守る吾郎。
吾「くそっ・・・本当に手間かかるジジィだぜ・・・・」
駿「うっ・・・・・」
駿が目覚めた。
吾「あっ・・・父さん・・・・大丈夫ですか?」
駿「うん?いや・・・・」
吾「一体どうしたんですか?いきなり雨の中走り出したりして」
駿「・・・私にもわからない・・・・いや、本当はわかっているのだが、それを認めたくない。」
吾「もう、年なんですから、無理しないで下さいよ」
駿「年か・・・・」
吾「世界の巨匠があんな所での野垂れ死んだらファンが泣きますよ」
駿「そんなものどうでもいいわ」
吾「また、そんな事いって、大事なお客さんじゃないですか」
駿「吾郎、悪いが一人にしてくれないか?」
吾「・・・・わかりました」
吾郎は部屋を出ていった。
駿は寝室にある自らの作品のポスターや受賞したトロフィーを眺めた。
駿「私は・・・・・宮先駿だ・・・・日本をとった、世界をとった、宮先駿だ。もう欲しいものなど何もないはずだった・・・それがあの及川という名の女・・・いかん、一人で何をぶつぶつ言っているんだ!!これでは私は異常者だ!!」
駿は一人で悶えた。
絶望した駿の目の前に「崖の上のポニュ」のポスターが貼ってあった。
「崖の上のポニュ」は半魚人ポニュと少年良助の禁断の愛を描いた宮先駿の大ヒット作である。
駿「・・・・これだ!!」
駿は部屋を飛び出し、吾郎の部屋に向かった。
駿「吾郎!」
吾「父さん・どうしたんですか?」
駿「映画を作るぞ!!」
吾「新作ですか?やりましょう!またアニメ界の頂点にたちましょう!」
駿「いや、実写だ」
吾「えっ?」
駿「崖の上のポニュを実写化する」
吾「ええっ!!無理ですよ!!そんなの!!」
駿「できる!!」
吾「第一ポニュは誰がやるんですか?」
駿「及川さんだ・」
吾「はぁ?誰ですか?」
駿「この間行ったスーパーの女性店員だ」
吾「父さん・・・・・大丈夫ですか?」
駿「ふふふ・・・・吾郎、私は思い出してしまったのだよ。若さというものを」
吾「いや、でも、良助役はどうするんですか?子役の演出できますか?」
駿「宗助は・・・・私がやる」
吾「何言ってるんですか!!少年じゃないですよね!!」
駿「吾郎!私は若返ったのだ!あの及川という少女のおかげで・・・そんな私の姿をフィルムに焼きつけなければ!!」
吾「・・・狂ってる・・・」
駿「さぁ、さっそくプロデューサーに電話だ。俺はやるぞ」
吾「・・・・・・」
それから数週間
スタジオギブリは宮先駿初の実写作品「真・崖の上のポニュ」の制作に費やされていた。
吾「で、父さん・・・・そのポニュ役の及川さんとやらはどうするんですか?」
駿「うむ。今考えていた所だ」
吾「もう、普通に子役にしましょうよ」
駿「ならん!!」
吾「頑固だな・・・・」
駿「大丈夫だ。もう手はうってある」
吾「えっ?」
駿「いまから彼女を誘拐しにいく」
吾「全然大丈夫じゃないですよ!!何言ってるんですか!!普通に出演交渉しましょうよ!!」
駿「いや、彼女には出演という形ではなく、生身の自分の姿で出てもらいたい。この作品は劇映画であり、ひとつのドキュメンタリーだ。我々に誘拐され、戸惑う彼女の姿をとるのだ。そして、少しずつ我々に心開き、成長する姿をフィルムに焼きつけるのだ。それが今回の作品の狙いだ」
吾「心開く訳ないし犯罪ですよ」
駿「だから大丈夫と言ってるだろ!!もう手はうってあるし、これは私が絶対にやらねばならない、最大の作品なのだ。吾郎!お前がなんて言おうと私はやる!!」
吾「・・・・・・」
東友
所沢店前
及川が出てくるのを黒いワゴン車から見張る駿とギブリスタッフ
駿「さぁ、とうとう始まるぞ・・・・私の、私の戦いが、、、、、」
ス「来ましたよ!!」
社員用出口から、及川が出てきた。
後ろにはなにやら挙動不審な動きで、男性店員がついてきている。
「ねぇねぇ、及川さん、映画見に行かない?」
及「行きません」
「冷たいなー、いいじゃん、」
及川はそれをふりきるようにはや歩きした瞬間、ワゴン車からギブリスタッフが出てきた。
「うん、なんだお前?」
ギブリスタッフはスタンガンで男性店員を気絶させた。
及「えっ?」
そして、駿は及川の後ろに周りクロロホルムを嗅がせ及川を眠らした。
ギブリスタッフと駿は、急いで及川をワゴン車にのせた。
駿「さぁ!行くぞ!行くぞ!」
ワゴン車は発進した。
駿「はぁ・・・はぁ・はぁ・私は、とうとう、やってしまった、これで私は、私は」
そう言いながら眠る及川を見つめる駿の目には狂気が宿っていた。
続く
更新日:2019-02-15 12:58:40