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第12話 戦士への道

山「富田さん、ありがとう。でもどうやって駿と戦うんだ?」
富「私はガンタム監督だぞ?わかるだろ?」
山「ひょっとして・・・・モビルスーツみたいのが用意されてるとか?」
富「そんなもんどこに置いておくんだ!!だがおしい」
山「・・・・じゃあ一体」
富「みっすー、例のブツ持ってこい」
み「はい」
みっすーは黄色のつなぎのスーツを持ってきた。
山「これは・・・」
富「モビルスーツではないが・・・・トラックスーツだ」
山「これ、ブルース・ラーが着てた奴だよな!!超クール!!」
富「これを着ればお前の戦闘能力は50倍にも100倍にもなれる」
山「本当に!かっけぇ!!これ着るだけで戦士になれんのか!すげぇ!!マスリックスみたいだ!!」
富「バカもん!!」
富田は山崎を殴った。
山「なんだよ・・・」
富「戦士になるためにはそれなりの精神修行をしなければならない。戦士の道は孤独だ。宇宙飛行士のように孤独に耐える修行をしなければならない。みっすー頼むぞ」
み「はい。じゃあ行きますよ」
山「えっ?」
みっすーは、山崎にサム・クルーズのマスクを被せた。
山「な、なんだいこれは?」
み「今からあなたは外に出るわ。このままじゃまずいでしょ」
山「えっ?」
み「山崎さんは指名手配犯よ!!このまま外にでたら捕まるわ!」
山「そっか・・・」

みっすーは山崎を新宿駅につれてきた。
朝4時42分
山手線の始発に山崎を乗せた。
み「山崎さんは、今日一日中終電まで、この山手線に乗ってもらいます。それが最初の修行です」
山「ああ、わかった。それだけでいいの?楽勝だな」
み「ふふふ・・・・・・・頑張ってくださいね」
みっすーは代々木でおりた。
隅の席にすわる山崎。
山「しかし、一日中とは暇だな・・・・これが修行なのか・・・・」
1時間ほど時間がたった。
山「混んできたな・・・」
通勤ラッシュが近づいて客の数が増えてきた。
山「つめた方がいいのかな?」
山崎はつめた。
だが、山崎のとなりの席には誰も座らなかった。
6時半
通勤ラッシュ真っ直中。
山手線内は人でぎゅうぎゅう詰めになった。
しかし、山崎のとなりの席には誰も座らない。
おかしい・・・・・
なぜ俺の隣には誰も座らないのか?
これだけ人で溢れているのに
電車に乗れない人も出ているのに
一瞬、目の前のサラリーマンと目があった。
山「あっ、ここ空いてますよ」
そっと山崎は客に言った。
すると、サラリーマンは目をそらし、スマホに目を通した。
なぜだ?
なぜ俺の隣に座らない?
駅につくたび駅員が「つめて下さい!」
と絶叫する。
それなのに自分の隣には誰も座らない。
これは無視とかではない。
ひょっとして自分は嫌われているのだろうか?
7時を回った。
山崎はなんだか自分が悪いような気がしてきた。
席に座っているのに足が震える。
こんな状況が2時間続いた。
9時
客は徐々に減り、やや余裕ができた。
新宿駅
山崎の落ち込む山崎の隣に女性が座った。
ふと山崎がその女性の顔を観た。
み「ふふふ・・・・苦しんでる?」
みっすーだった。
山「みっすー!!ありがとう。隣にきてくれて」
山崎は涙目でみっすーにお礼をいった。
み「だいぶきてるみたいね。でも頑張って山崎さん」
山「えっ?」
み「夜からの帰宅ラッシュはもっと地獄よ。じゃあね」
みっすーは再び代々木でおりた。
山「・・・・・これが・・・・孤独に耐える為の修行か・・・・」
続く

更新日:2019-02-15 12:57:01

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