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伊達政宗と柳生十兵衛は苦労しないのかな?

 あたしはルーイン・リュンネ……エルフの美少女よ。今のあたしは故郷を追われ、此の……「オイ、此の侭北西に行けば本当に『ゼクス・レイモル』に到着するのか?」何で此奴は何時も空気を読んでくれないのよ--折角、少しでも故郷が恋しいあたしは楽しんでいるというのに!

「あのねえ、ヴェイダー。あたしの心は今傷付いているのよ。其処であんたはあたしの演技に合わせて会話を紡ぐ物じゃないの?」

「そう言えば此の先に在る町には演劇場が在るのか?」

「コラ、そうゆう流れに話を合わせるのではないのよ!」

「何でてめえみたいな馬鹿女と話を……」「ルーインちゃん回し膝蹴りイイ!」という具合にあたしは此奴のマイペースを超えた傲岸不遜な態度に振り回されるのよ--一緒に居るだけで好感度が急加速で下落するって里で生活した時は絶対に味わった事なかったのに!

「いつつ……何時か絶対にぶっ殺してやるぞ!」

「はいはい、そうゆうのは殺さない奴が口にする脅し文句よ」

「おっと手が滑った……」危ない奴--偶々背後に飛び掛かるスネークが居たから良かったけど--そうだわ、此奴はチンピラみたいに脅すだけで終わらせるような性根ではないってのを忘れていたわ!

「背後のスネークごとあたしを殺そうと思ったでしょ?」

「何を言ってる? 今のは……おっと、盾が滑った」左米神に尖った部分を当てるなんて……「おや、死んでないなあ……米神に深く当てると死ぬ筈なのに」幸い、エルフの長い耳に合わせた頭蓋骨構造のお陰で米神深く入らずに助かったけどさあ。「そうか……エルフだから米神の形は俺達よりも違うんだな」

「--ヴェイダー、あんたは碌な死に方をしないわよ……ファイアーボール!」ヴェイダーに今日二度目の殺意を抱きながらもスコーピオンに火系下級魔法をぶつける。「甲殻系でも術攻撃迄はそうもいかない物よ!」

「じゃあ、硬い奴等はお前に任せて俺は楽なスネークを倒してゆくぜ……」今日三度目の殺意は突然訪れる--一緒に居るだけで好感度が下がり続ける此奴に何時まで我慢し続けられるか……自信を無くしそうよ!


 そうして二分掛けてスネークとスコーピオンの群れを倒し尽くすあたし達。もう直ぐキャンプ場所が近いと思う中であたしは顔を見るだけでも腹が立つレベル迄好感度が下がったヴェイダーに……「おにぎりくれない?」と頼む。

「駄目だ、此れは俺が食べるって相場が決まって……」「あんたの中の相場は如何だって良いからさあ!」そうしてあたしは今日二度目の後悔をする--言っても無駄な男に如何して物を頼もうと思ったのよ、あたしは!

「其れよりも……何だ、此の巨大スパイダーは?」

「あ、そうね……」あたし達の前に必ず危機は訪れる--最初の危機とは即ち、頑丈な何かを纏った巨大なスパイダーが立ち塞がる事なのよ!

更新日:2019-02-19 19:34:42

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