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 やがて戦いが終わり、ティアラは勇者と正面から向き合う。
 数の暴力によって反撃してきた鋼の巨人たちを単身で打ち払った真紅の勇者の身体は彼女と同じくボロボロであり、手にした剣でようやく立っていられる程の満身創痍の有様だった。
 それでも決して倒れることはない。
 ただの意地で立ち続けることしか出来なかった自分とは違う、持ち合わせた力の全てで成すべきことを成し遂げたその姿は、彼女自身が理想として抱いていた姿そのものである。
 力の伴わない理想を抱いている自分自身を変えるために、この勇者と共に行くのだと、彼女はそう決意した。

 それは後に隊長となる少年、神条正人が勇者機兵隊に入隊する2年ほど前の出来事であった。

更新日:2018-12-29 12:24:04

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勇者機兵キャリバー外伝 望んだ力と求める未来