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覚醒と降臨・・暗黒の女王アシャと魔法の王アーシュ

目を大きく見開く・・

まだアシャアシャの様子に気が付かない二人
リアとナジュナジュ

「・・時間がない・・三日が限度・・四日目には 間に合わないって・・
そうも言っていた・・いにしえの魔法の王に匹敵する魔力を持つ者はどこに?
・・って」

「その後 ドアの前に立っていた僕に気がついたアリステア先生が
慌てて追い立てるように
僕の手から薬の袋を取って 早く帰りなさいって・・ドアを閉めた」

「なんか顔色が悪くて怖い顔していた 」リア

「・・時間・・ない・・あと・・1日・・」
瞳を見開いたまま 小さな声で呟くアシャアシャ

「・・んっ 何か言ったアシャアシャ?」振り返るナジュナジュ

「・・どうしたの?アシャアシャ?」きょとんとするリア

ふわりと風もないのに アシャアシャの髪が広がり 左右に動く
「・・時間がないの・・私・・行く・・」

口調も違う・・いつものたどたどしい言葉でなく
はっきりとした言葉・・

ポトリと手にした キャンデイと
赤い子竜のぬいぐるみを落とすアシャアシャ

「・・時の力が私を起こす 呼び覚ました 覚醒した・・
・・まず アリステア先生の処」
「・・・それから あの異変の場所に行く 奴が私を呼んでいるから・・」

「・・この暗黒の女王を・・」後ろを向いたままのアシャアシャ

髪は 先程と同じく ふわふわと浮かび揺れている・・宙に浮かぶ・・

「あ・・アシャアシャ」「アシャアシャ?」リアとナジュナジュ

「・・心配ない この異変の原因を取り除けば・・奴を倒せば・・」

「私は元の・・幼い女の子に戻るから・・
その時は私を怖がらずに受けてとめてね
二人とも・・お願い・・」

後ろ向きのまま宙に浮かぶアシャアシャ

「・・ぐっ・・」少し呻くアシャアシャ

「・・一体 どうしたの?」二人が駆け寄る
後ろを向いたアシャアシャの肩に手を置こうとした瞬間

アシャアシャが話し出す・・違う声・・男の子の声・・
聞き覚えのある声・・

「・・危ないが・・ついて来るか? ナジュナジュ リア・・」

「俺は・・一旦 時と風の魔法でアリステア達の処に行き
それから・・・皆を連れて行く・・時と風の魔法で飛ぶ・・」


「・・・その声・・口調・・まさか・・」蒼白になるリア

「・・あ・・アシャアシャ?」
両手を自分の口元にあてて青い瞳を見開くナジュナジュ


「すぐにあの憎い宿敵・・俺と妹のテインタル王女を嬲り殺した男・・」

「・・黒の王族は皆殺し・・父王達も殺された・・
まだ小さい幼い弟アジュアリも首を斬られて殺された・・」

「生き残ったのは・・当時 白の国の人質として 

その時 いなかったまだ子供だった俺と
幼い女の子だったテインタルだけ 二人のみ・・」

「捕らえた妹のテイの一生を踏みにじり・・
滅茶苦茶にした上に 妹に呪いの入れ墨を入れた魔法使い・・」

「俺を8年もかけて・・嬲り殺した あの憎い 追放された神を今度こそ殺す
焼き殺す・・灰燼に還す・・あの呪われた場所ごと・・消し去る・・」

「時の番人レグルス達は・・ 
呪い傷と入れ墨がある・・俺達を心配して 起こさなかったが・・」

「俺は異変に気がつき 起きて知っている」

「時に触れる黄金の力があるから・・全てわかる・・」

「テインタルも起きた・・止めたが・・聞かない・・仕方ない・・」

「・・ひさしぶりだな リア・・ナジュナジュ・・」
アシャアシャは顔だけ 振り返る

アシャアシャの瞳は 
片方が黄金色 片方が燃える焔の色に変化している

顔つきも変わっている・・その面差しは・・

あの火竜王・最後の竜の王アーシュランに・・

「・・詳しい事はアリステアが話すから・・
お前達は この異変の終焉を見届けるだけだ・・」

「心配ない・・今後の封印の事もあるから ついて来てもらう」

「魔法で防御するから・・
後ろに下がって 見ていればいい
危ないから 近づくなよ・・

アシャアシャも大丈夫だ・・俺がついている」 

更新日:2018-12-25 06:55:17

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