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和泉
佐野は駅の業務を終え、点検をして駅舎の灯りを落とす。
宿直室には和泉がいる…
さっき、ベッドに寝かせてきた。
ベッドで自分を…この自分を待っている…
そう考えると落ち着かなかった。
和泉は…佐野との行為を期待して待っているのだ…
そして、佐野自身もそれを期待しているのを、ようやく自分で認められそうになっている…
しかし落ち着かない…
昔、若い頃…童貞だった時分に初めて女を相手にした時よりも緊張している自分を、佐野は感じていた。
奥手で性体験がなかった自分…就職したばかりの頃、先輩に連れられて入った風俗店での行為…
俺はその時よりも…興奮して…緊張している…
タオルで首筋の汗を拭う。
駅舎の中は冷房が効いているというのに…こんなに汗をかいている…
念の為、職員のシフトを確認する。関は今夜はいないはずだ。この前のように、宿直室を覗かれる心配はなさそうだ。
もっとも、自分が鍵を掛けておけばいいだけなんだが…
思いを巡らせながら、通路を歩く佐野。
宿直室のドアはもうすぐだ。
風呂に入って、さっぱりした方がいいんだろうか…俺、汗臭くないか…?
そっと胸元や脇の匂いを確認してみる。
まあ…和泉くんだって同じく暑い一日を過ごした後なんだ…
中はエアコンは効いているし…とにかく年長者の俺がうまくやらんと…しかし、うまくできるか…?
駆け巡る思考…
佐野は宿直室のドアの前に立つ…
深く息を吸い、佐野はドアのノブに手を掛ける…
……………
カチャ…
薄暗い室内…
目が慣れてくると、ベッドの上、タオルケットをかけた和泉の細い体が、ぼんやりと見えてきた。
後ろ手で鍵を掛け、佐野は制帽を取って壁のフックに掛けた。
和泉は起きているのだろう…
向こう側の壁を向いていた和泉がモゾモゾと寝返りを打ち、佐野の方を向く。
薄闇の中、天井の灯りを受けて、小さなふたつの光が、佐野を見つめていた。
「…和泉くん…起こしちゃったか」
「……ううん…起きてたから…」
まあ、そりゃそうか…待ってたんだもんな、俺を…
自分が何だか間の抜けたことを尋ねた気がして、佐野は汗を拭いながら少し笑う。
壁の方を向いてシャツのボタンを外しながら、自分を落ち着かせようと息を深く吸う。
背後の和泉の気配が気になる…
スラックスと靴下も脱ぎ、あの夜同様、白いランニングシャツとトランクスだけになった佐野は、ベッドの脇に立つ。
自分のペニスは緊張のためか平常時のままだ。不安になる佐野…
タオルケットに肩までくるまった和泉が、こちらを見上げている。
「…隣…いいかな。一緒に…寝ようか」
声が震えていやしないだろうな…
いい年して、我ながらみっともない…こんなことしか言えんのか…
和泉はコクリと頷き、タオルケットをそっと捲る。
…………!
佐野は息を呑む。
和泉は上半身は裸で…小さめなブリーフを身に着けているだけだった。
細く瑞々しい身体が、暗がりの中で青白く浮かび上がっていた。
和泉は恥ずかしいと思っている。
でも大牟田に言われたのだ…積極的に誘ってやれと…
ノンケの佐野が相手なのだ。恥ずかしがらずに積極的に誘うくらいじゃないと、うまくいかないかも知れないぞ…
そう言ってスケベそうに笑った大牟田を思いながら…和泉はドキドキしながら佐野を見上げている。
「…汗かいちゃったから…脱いじゃった…」
「……ん…ああ…」
「佐野さんも…シャツ脱いだ方が…風邪ひいちゃうかも知れないし…」
「う、うん…そう…だな…」
胸をドキドキさせながら、佐野も汗に濡れたシャツを脱ぎ、トランクスのみになる…
和泉が空けた隣の狭いスペースに、佐野も身を横たえる。
和泉の方を向き、間近で見つめ合う…
この前、このベッドで同じように寝た時とは明らかに違う…
ふたりとも…これから自分たちがすべきこと…したいことを知っている…
和泉が佐野の裸の胸に顔を埋めるように、無言で、ひしと抱きついてきた。
和泉くん…
ためらいながら、佐野も和泉を抱きしめた。
小さくて温かくて…若々しくて優しい、不思議な匂いがした。
トランクスの中で、自分のペニスが反応し始めるのを感じ、佐野の胸は高鳴る。
俺は…興奮している…
「佐野さん…大好きです…」
しがみついてくる和泉…
そのブリーフの股間が、佐野の太もも辺りに触れる。
和泉は腰を、そっと佐野に押し付けてきた。
和泉の性器の硬い昂ぶりを感じ、佐野の性器も益々…一気に反り返った。
………!
己の性器の激しい昂ぶりを自覚し…男としての自信を取り戻し始める佐野。
ためらうことなどない…
俺はこの子を…欲している…
そしてこの子も…こんなに俺を欲している…
「和泉くん…」
胸に掻き抱くように、そっと和泉の頭部を抱き寄せ、その名を呼んでみる。
「……………」
和泉は黙って佐野の裸の胸に頬を寄せている…
宿直室には和泉がいる…
さっき、ベッドに寝かせてきた。
ベッドで自分を…この自分を待っている…
そう考えると落ち着かなかった。
和泉は…佐野との行為を期待して待っているのだ…
そして、佐野自身もそれを期待しているのを、ようやく自分で認められそうになっている…
しかし落ち着かない…
昔、若い頃…童貞だった時分に初めて女を相手にした時よりも緊張している自分を、佐野は感じていた。
奥手で性体験がなかった自分…就職したばかりの頃、先輩に連れられて入った風俗店での行為…
俺はその時よりも…興奮して…緊張している…
タオルで首筋の汗を拭う。
駅舎の中は冷房が効いているというのに…こんなに汗をかいている…
念の為、職員のシフトを確認する。関は今夜はいないはずだ。この前のように、宿直室を覗かれる心配はなさそうだ。
もっとも、自分が鍵を掛けておけばいいだけなんだが…
思いを巡らせながら、通路を歩く佐野。
宿直室のドアはもうすぐだ。
風呂に入って、さっぱりした方がいいんだろうか…俺、汗臭くないか…?
そっと胸元や脇の匂いを確認してみる。
まあ…和泉くんだって同じく暑い一日を過ごした後なんだ…
中はエアコンは効いているし…とにかく年長者の俺がうまくやらんと…しかし、うまくできるか…?
駆け巡る思考…
佐野は宿直室のドアの前に立つ…
深く息を吸い、佐野はドアのノブに手を掛ける…
……………
カチャ…
薄暗い室内…
目が慣れてくると、ベッドの上、タオルケットをかけた和泉の細い体が、ぼんやりと見えてきた。
後ろ手で鍵を掛け、佐野は制帽を取って壁のフックに掛けた。
和泉は起きているのだろう…
向こう側の壁を向いていた和泉がモゾモゾと寝返りを打ち、佐野の方を向く。
薄闇の中、天井の灯りを受けて、小さなふたつの光が、佐野を見つめていた。
「…和泉くん…起こしちゃったか」
「……ううん…起きてたから…」
まあ、そりゃそうか…待ってたんだもんな、俺を…
自分が何だか間の抜けたことを尋ねた気がして、佐野は汗を拭いながら少し笑う。
壁の方を向いてシャツのボタンを外しながら、自分を落ち着かせようと息を深く吸う。
背後の和泉の気配が気になる…
スラックスと靴下も脱ぎ、あの夜同様、白いランニングシャツとトランクスだけになった佐野は、ベッドの脇に立つ。
自分のペニスは緊張のためか平常時のままだ。不安になる佐野…
タオルケットに肩までくるまった和泉が、こちらを見上げている。
「…隣…いいかな。一緒に…寝ようか」
声が震えていやしないだろうな…
いい年して、我ながらみっともない…こんなことしか言えんのか…
和泉はコクリと頷き、タオルケットをそっと捲る。
…………!
佐野は息を呑む。
和泉は上半身は裸で…小さめなブリーフを身に着けているだけだった。
細く瑞々しい身体が、暗がりの中で青白く浮かび上がっていた。
和泉は恥ずかしいと思っている。
でも大牟田に言われたのだ…積極的に誘ってやれと…
ノンケの佐野が相手なのだ。恥ずかしがらずに積極的に誘うくらいじゃないと、うまくいかないかも知れないぞ…
そう言ってスケベそうに笑った大牟田を思いながら…和泉はドキドキしながら佐野を見上げている。
「…汗かいちゃったから…脱いじゃった…」
「……ん…ああ…」
「佐野さんも…シャツ脱いだ方が…風邪ひいちゃうかも知れないし…」
「う、うん…そう…だな…」
胸をドキドキさせながら、佐野も汗に濡れたシャツを脱ぎ、トランクスのみになる…
和泉が空けた隣の狭いスペースに、佐野も身を横たえる。
和泉の方を向き、間近で見つめ合う…
この前、このベッドで同じように寝た時とは明らかに違う…
ふたりとも…これから自分たちがすべきこと…したいことを知っている…
和泉が佐野の裸の胸に顔を埋めるように、無言で、ひしと抱きついてきた。
和泉くん…
ためらいながら、佐野も和泉を抱きしめた。
小さくて温かくて…若々しくて優しい、不思議な匂いがした。
トランクスの中で、自分のペニスが反応し始めるのを感じ、佐野の胸は高鳴る。
俺は…興奮している…
「佐野さん…大好きです…」
しがみついてくる和泉…
そのブリーフの股間が、佐野の太もも辺りに触れる。
和泉は腰を、そっと佐野に押し付けてきた。
和泉の性器の硬い昂ぶりを感じ、佐野の性器も益々…一気に反り返った。
………!
己の性器の激しい昂ぶりを自覚し…男としての自信を取り戻し始める佐野。
ためらうことなどない…
俺はこの子を…欲している…
そしてこの子も…こんなに俺を欲している…
「和泉くん…」
胸に掻き抱くように、そっと和泉の頭部を抱き寄せ、その名を呼んでみる。
「……………」
和泉は黙って佐野の裸の胸に頬を寄せている…
更新日:2018-12-30 20:39:04