官能小説

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…………

独身の佐野は、非番の日も、特にすることもない。
特段、趣味があるわけでもなく…アパートでゆっくり寝て過ごし、時折、買い物がてら散歩するだけだ。

その日も昼近くまで惰眠を貪り、布団の中で伸びをして起き上がった。
久々に熟睡できた。そのせいかは分からないが、股間のイチモツが、いつもより激しく、痛いほどいきり勃っていた。

…俺ももう…50過ぎたオッサンなのに…
一体、朝勃ちってのは、何歳まであるもんなんだろうな…

何となく片手で股ぐらを弄りながら、布団の上でぼんやりする佐野。
奥手の佐野は、風俗店などは利用したことがない。以前、同僚に酒の勢いで付き合わされたことは何度かあったが…それだけだ。
潔癖ぶるわけではないが、金で買うことに対する躊躇だろう…佐野はそう思う。
だったらば独りで性欲を処理した方がマシだ…
佐野はトランクスを下ろす。
太短いペニスが丸い腹に貼り付いている。
右手で掴み…ゆっくりしごいてやる。

こっそり買ったアダルト物のDVDを見ながら処理することもあるが…何だか押し入れから引っ張り出してプレーヤーにセットするのも面倒だった。
別に誰かが訪ねてくる訳でもない寂しい部屋…アダルトDVDを隠しておく必要すらないのかも知れないが…

…何だか集中できなかった。
いや…そもそも…切なくなるほどの性欲を滾らせたことが、今まで自分にあったか…?
そんな思考が、やはり佐野の集中力を乱す。

右手を懸命に動かす。
早いとこヌイて、すっきりしてしまおう…
先端から粘液が滲み出すのを感じる佐野…

俺は寂しいのか…寂しい人間なのか…?
誰かと触れ合い…肌を重ねて温もりを感じられたら…

巡る思考。脈打つペニス。物理的な刺激を続ければ…とにかく射精には至る…
粘液を亀頭に塗り拡げ…根元からカリ首のくびれまで、強くしごき立てる…
熱いものが根元に押し寄せてくる…
そうだ…もうすぐだ…俺は…寂しくなんかない…こうやって…もうすぐ…

……!
うッ…!!
尿道を駆け抜ける熱いもの。
ドロドロと溢れ出し、筒状にした右手の指に絡み付く粘液…
佐野は枕元のティッシュを数枚引き抜き、後始末をする。
ペニスを拭き、指に付いた白濁液を拭い取る。

特に興奮もなく遂げた射精…
丸めたティッシュをゴミ箱に向かって放り投げる。うまく入らなかった。
しかし佐野は何だか気怠くて…パンツを引き上げると仰向けにひっくり返る。
天井を見上げ…ぼんやりとする。
また眠くなってきてしまった。
寝よう…どうせ何か用事があるわけでも、誰かが待っている訳でもないんだ
…寝よう…

幸い眠気は早く訪れ、佐野を独りきりの部屋から連れ去っていった。

…………

それは暑い夜だった。
佐野の勤務する駅止まりの最終電車がホームに滑り込んでくる。
佐野は眠り込んだ酔客がいないか、車両を見て回る。

肩を叩いて声を掛ければ、大抵の客はハッと目を覚まし、バツが悪そうに頭を下げ、ホームに降りてゆく。

と…見覚えのある姿がシートからずり落ちる寸前でとどまっていた。
和泉だ。
随分飲んでいるのか、顔が赤い。
…もう大学生だ。コンパでもあって飲み過ぎたのだろう。

「…和泉くん。着いたよ。起きられるかい?」
肩を揺すって声を掛けた。
「ん…あ…すみません、佐野さん…着いたんですね…降りなきゃ…」

少し呂律が怪しい口調で言い、和泉が立ち上がろうとする。
しかし、大きくよろけてしまい…佐野は慌てて肩を貸す。
小柄な和泉は思いがけず軽く、なぜだか佐野はドキリとする。

「…大丈夫か。とりあえず降りよう」
和泉の細い肩に腕を回し、ホームに出て、ベンチに座らせる。
急いで小走りですべての車両を見て回る。ほかに乗客はない。運転士に合図を送る。
車両の灯りを消した電車がゆっくりとホームを出てゆくと、辺りは暗くなり静まり返る。

さて…
佐野はベンチに腰掛けて俯いている和泉に向き直る。

「和泉くん。どうだ。ひとりで帰れそうか?」
「んん……スミマセン…」
立てないのか、動かない和泉。

「とりあえず駅を閉めなきゃならんからな…一緒に行こう。そら…!」
肩を貸して立ち上がる。
「ご家族は?迎えに来てもらえそうか?タクシー呼ぶか?」
「……………」
返事がない。どうやら酔いは相当深いようだ。

そして、タクシーを呼ぼうにも、佐野は和泉の自宅を知らないし、和泉が車中で自宅までの道順を眠り込まずに伝えられるか分からないことに思い至り…
また、和泉の家族についても知らないし、ましてや自宅の電話番号なども知らないのだから、酔い潰れてしまった和泉がどうにかある程度まで回復しないと、どうにもならなそうだと判断する。

更新日:2018-10-06 07:48:04

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