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 「でさ、この間の続きだけどさ」、



 味噌汁を飲みながら俺を見た春日さんは

あいつの話の続きを始めた。







 「結構でかい総合病院だからさ、ちょい

気になって、あの子の行き先を見てたわけ

 そしたら、睡眠内科っていう新しくでき

た待合に入っていったんだよね。

 もっとほら、癌とか、ほら、命に係わる

病気で、辞退したのかと思っていたから

なおさら気になってさあ、会計待ってる間

その子が出てくるのを張ってみた訳。

 で、診察を終えたあの子がさあ、また

偶然で、私の隣に座ったのよ。

 これはもう、聞いて言いよって、神様の

ご示しだと思うでしょ?

 だから、聞いてみたの、」、





 春日さんは、また味噌汁を飲んだ。







 「どんな病気なんですか?」、



 待ちきれない俺が、声を上げると





 「煩いなあ、お腹の子がびっくりしたわ」、



 春日さんは、すりすりとお腹を撫でて





 「辛いんだってさ・・」、



 じっと俺の眼を見た。






更新日:2018-09-06 13:09:40

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