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眠れなくて、水さえも喉を通らなくて
明るくなった窓を見つめていた俺は立ち上がり
バスルームに向かった。
酒臭いワイシャツを洗濯機に投げ入れ
勢いよくシャワーをぼけた頭に押し付けた。
真っ白なシャツに、あいつが選んでくれた
ジャケットを羽織って、俺は部屋を飛び出し
大学を挟んで反対側の街に向かった。
そんなつもりで借りたんじゃない父さんの
車の中には、あいつの好きな音楽が流れてて
「僕これ好きなんだ!」、
ニッコリ笑う姿を見るはずだった。
なのに、隣に座ることもなく
「勝手に終わりにするなよ・・」、
俺はアクセルを踏み込んだ。
「嘘だろ?」、
見慣れた景色の中に立つ、そのアパートの
2階の窓には、カーテンが無くて
入り口のポストにも、駆け上がって叩いた
そのドアにも、もう、あいつの名前は無かった。
「引っ越しましたけど」、
あまりの煩さに出てきた隣の学生が、文句を
言いたそうに睨みつける。
「いつですか?どこに?」、
詰め寄った俺の手を払いのけて
「知らねーよ、先月ごろからいねーし」、
そう言った学生は、部屋の中に入ってしまった。
「せんげつ?・・」、
俺はその場に崩れ落ちた。
眠れなくて、水さえも喉を通らなくて
明るくなった窓を見つめていた俺は立ち上がり
バスルームに向かった。
酒臭いワイシャツを洗濯機に投げ入れ
勢いよくシャワーをぼけた頭に押し付けた。
真っ白なシャツに、あいつが選んでくれた
ジャケットを羽織って、俺は部屋を飛び出し
大学を挟んで反対側の街に向かった。
そんなつもりで借りたんじゃない父さんの
車の中には、あいつの好きな音楽が流れてて
「僕これ好きなんだ!」、
ニッコリ笑う姿を見るはずだった。
なのに、隣に座ることもなく
「勝手に終わりにするなよ・・」、
俺はアクセルを踏み込んだ。
「嘘だろ?」、
見慣れた景色の中に立つ、そのアパートの
2階の窓には、カーテンが無くて
入り口のポストにも、駆け上がって叩いた
そのドアにも、もう、あいつの名前は無かった。
「引っ越しましたけど」、
あまりの煩さに出てきた隣の学生が、文句を
言いたそうに睨みつける。
「いつですか?どこに?」、
詰め寄った俺の手を払いのけて
「知らねーよ、先月ごろからいねーし」、
そう言った学生は、部屋の中に入ってしまった。
「せんげつ?・・」、
俺はその場に崩れ落ちた。
更新日:2018-09-06 13:05:30