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 「詳しい事は聞けなかったけどさ」、



 親だと言った奥の人に向かってお握りの

追加を告げた春日さんは





 「大事そうに、胸元に揺れる指輪を、

無意識に触っていたからさ・・」、



 そう言いながら、俺の首元に細い指を

伸ばして・・





 「おんなじだし・・」、



 緩めたネクタイの隙間に見えていた

鎖を引き出し、その先のリングを確認した。





 「俺が・・贈ったものです・・」、



 そのあとの言葉は出なかった。









更新日:2018-09-06 13:11:13

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