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8月10日 雨傘男

 こんばんは。今日は・・・もう台風も過ぎましたか?天気が荒れると大変ですからね。川が増水します。水は綺麗なものですが、荒れているとそう呑気なことは言えません。飲み込まれると危険です。しばらくは落ち着いてくれるといいのですが。どうでしょう。
 ・・・ところで、ふと思ったのですが、あなたは折り畳み傘を持ち歩く人ですか?私は持ち歩く気はありますよ。よく忘れるだけで。いえ、そんなことはいいんです。突然雨に降られると大変ですね、と話したかっただけです。そんなときに傘を貸してくれる相手なんていればありがたいのですけれどね。
 というわけで、今夜はその、傘を貸してくれる、心優しい雨傘男の話です。なんだか話の進め方が強引なようにも思えますが。
 さて、雨傘男というのは単なる人間へのあだ名ではなく、まあ、都市伝説に出てくるような怪人物の呼び名です。口裂け女だとか人面犬だとか、そんな風なものです。得てしてこういった呼び名は特徴をそのまま用いているわけですが、この雨傘男も単純なものです。
 雨傘男はあるバス停に現れる・・・年齢不詳ですが、それならば少年や老紳士というわけではないのでしょうね。はっきりしているのは、男性であること、雨の日に現れること、黒いレインコートを着ていること、という謎の人物です。やはり黒い雨傘をいくらか腕にぶら下げておりまして、雨の日に傘を持たずにバス停の辺りを訪れた人に、その傘を貸してくれるのだそうですよ。
 それだけなら、まあよい・・・存在といいますか、怪異、なのですが、彼に傘を借りた際には、やってはいけないことがありまして。こういったものにはつきものですね。

更新日:2018-08-10 20:01:29

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