• 34 / 42 ページ
 少年はカジマ屋敷で数週間を過ごし、そこで何か大きなダメージを受け、廃人のようになって戻ってきたのだ。
 その時と近い印象があり、これは何かあったに違いない‥とケントは感じた。


 彼は隣に座るレイクの腕をつかんで引き寄せたが、相手はこちらの顔を見なかった。
 ケントは無理にキスをして、体をまさぐってみた。だが少年は抵抗こそしないものの、体を固くして全身で彼を拒否していた。心に殻をかぶせてしまったような態度で、表情も変に無表情に近かった。
ケ「何をされたか言ってみろよ。お前、あの時と同じような目をしてるぞ。俺には隠しても分かるんだ。絶対、何か怖い事があったはずだ」
レ「別に…たくさんとセックスしてきただけだ。隠してなんかいない」
ケ「誰と?」
レ「たくさんと」
ケ「スミスがそれをさせたのか」
 レイクはうなずいた。
 ケントは服をめくって少年の体を覗いて、その一物や尻が赤く腫れ上がっているのを目にした。
ケ「嫌だと言ったのか」
レ「言ってどうなるんだ、好きにさせたよ」
ケ「お前は精神的に傷ついてる。スミスにも抱かれたのか?」
 レイクは答えなかった。
 しかし少年はその代わりに、ケントの肩口に顔を押しつけた。青年に寄りかかるようにすると、軽く耳のそばに口をつけた。
レ「知ってたか?あいつ‥」
 そこで口を切って、少年は黙ってしまった。
 そんな相手を抱いて、ケントは背中を撫でてやった。
 目を覗き込んでも視線を合わせようとしないので、顔を無理に両手で挟んで言った。
ケ「お前は俺のパートナーなんだ。博士の事なんか思い出さなくていい。俺が気分直しに抱いてやるよ、痛くないようにするから」
 レイクは首を振って、ケントの胸に両手を突っぱねた。
 青年は相手の顔を上向かせてキスをした。さらに体をまさぐって服を脱がせようとすると、レイクが息を吐き出して叫ぶように言った。
レ「放っといてくれ。触られるのはもうたくさんだ!」
ケ「ルーに慰めてもらえ。今、機械のスイッチを切るから」
 小さな声でそう言って、ケントはコンピューターの電源を切ろうとした。
 だがレイクは、それさえも首を振って拒絶した。

更新日:2018-08-16 12:30:03

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

ORIGIN180E L.A.編 4