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 花があちこちのテーブルに活けられていた。まるで温室のように熱帯産の木が置いてあり、その青々とした枝を天井へ向けて広げていた。
 それらの家具や調度品は周りと上手く調和して、部屋の色に溶け合っていた。

 どこからか香料のいい匂いがし、それがかすかな風に乗ってきて、ベッド上のレイクを取り巻いていた。



 唯一、聞こえてくるのはソファーの近くに置かれたテレビから、直接響いてくる音だった。
 そこではまるで映画かドラマでも流すように、ある部屋のモニター映像が映し出されていた。レイクのいるベッドからその画面がよく見えたので、少年はいつしかそこに視線を集中した。


 彼が声から見当をつけた通り、画面に映っているのは老住だった。
 教授は裸の体にシーツを半分巻きつけた格好で、傍らにユースを抱いて横になっていた。
 彼は穏やかな様子で隣の少年に話し掛けていた。ユースが一言も答えないにもかかわらず、そうやって話すのをやめようとしなかった。まるで寝る間際に子供に物語を読んで聞かせる親のようで、何だか眠気を誘う感じに聞こえた。
 行為が済んだ後なのか、二人は並んで横になったまま身動きもしなかった。





 動きのない映像を眺めるのはやめて、レイクは再び部屋の中を見渡した。
 老住達がいるのはこの部屋ではなく、研究所の中の一室らしいと思われた。モニターに映る無機質な壁や床は、この部屋とはまるで造りが違っていたからだ。
 こんな異次元な空間にいるのが夢の中の出来事のように思われて、レイクは思わずゴシゴシと目をこすった。










 その時、彼の足元で人の動く気配がした。
 それまで全く気づかなかったのだが、いつの間にか部屋に人が入ってきていた。
 トルコのハーレムのような豪華な衣装を着た女性が、お盆に飲み物を乗せて現れた。
 レイクはまるで見世物でも見るように、次々とやってくる彼女達を眺め始めた。
 ベッドから少し段の低くなった床にはソファーがあり、横の平机に盆の上のカップなどを乗せていった。
 女性らは一度もレイクの方を見なかった。頭にかかった薄いベールのせいで、中の顔の表情があまりよく見えなかった。



更新日:2018-08-11 23:19:27

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ORIGIN180E L.A.編 4